リスキリング時間確保 取引先との契約ひな型作成へ――情報サービス産業協会

情報サービス産業協会(=JISA、福永哲弥会長)は今年度、ITエンジニアの育成支援を強化する。
生成AIなど最新技術の台頭によってリスキリングの必要性が増していることから、エンジニアの「学びの時間」の確保に取り組む。
取引先に対して学習時間の確保に関する協力を求められるよう、契約時の参考となるモデル契約書を作成する予定。
会員企業には、エンジニアに自己研鑽を求めることを就業規則に規定するよう呼び掛ける。
JISAが提供している研修制度も見直し、内容の拡充や受講可能人数の増加を図る。

リスキリング時間確保 取引先との契約ひな型作成へ――情報サービス産業協会

情報サービス産業協会(=JISA、福永哲弥会長)は今年度、ITエンジニアの育成支援を強化する。
生成AIなど最新技術の台頭によってリスキリングの必要性が増していることから、エンジニアの「学びの時間」の確保に取り組む。
取引先に対して学習時間の確保に関する協力を求められるよう、契約時の参考となるモデル契約書を作成する予定。
会員企業には、エンジニアに自己研鑽を求めることを就業規則に規定するよう呼び掛ける。
JISAが提供している研修制度も見直し、内容の拡充や受講可能人数の増加を図る。

派遣・同一労働同一賃金 労使協定再締結に助成金――厚労省

厚生労働省は、派遣労働者の同一労働同一賃金に関連し、労使協定方式により賃金を決定する際に派遣元が参照する令和6年度の「一般賃金水準」について、その算定に使用する地域指数を示した昨年8月の通達に誤りがあったとして、地域指数の一部を訂正した。
自社の派遣労働者の賃金水準が訂正後の一般賃金水準に満たない企業は、協定の再締結が必要となることから、再締結による賃金制度の整備・改善経費を支援する助成金を創設する。
協定を再締結し、それまでの期間における差額を支給する派遣元に対し、一律5万円と、派遣労働者1人につき1万円の合計額を支給する。

5年間は毎年5000円昇給――SOMPOケア

SOMPOケア㈱(東京都品川区、鷲見隆充代表取締役社長)は、総合職として新卒採用した入社5年目までの人材向けの等級体系を整備し、毎年5000円ずつ自動昇給する仕組みを整えた。
離職率に大きな差が出る「5年目の壁」を克服するのが狙いで、国家資格である「介護福祉士」の早期取得を促しつつ、“飛び級”による大幅な昇給も可能としている。
定着には成長実感もカギとし、本人の申告により、上司とリーダーが成長度合いをチェックする仕組みも採り入れた。

第328話「社長の平均年齢60歳」

帝国デ-タバンクの調査によると、2023年12月時点での東京都の企業の社長平均年齢は60.0歳だった。
前年を0.2歳上回り、比較できる過去33年間で最高を更新した。
50歳以上が占める割合は79.6%で5年前より3.3ポイント上昇しており、中小企業の事業承継問題は深刻化している。
約147万社を収録している企業デ-タベースから帝国デ-タが集計、分析した。
社長平均年齢を業種別でみると「製造」が62.9歳で最も高く、IT(情報技術)企業が分類される「サービス」が57.2歳と最も低かった。

帝国デ-タは今回の調査を踏まえて、「社長の高齢化が進めば、体調不良など不測の事態が生じる可能性は高まる」と早めの事業承継対策の必要性を指摘している。

以上

チャレンジ型登用制度 特定ポストへ挑戦可能に――クレディセゾン

㈱クレディセゾン(水野克己代表取締役〈兼〉社長執行役員COO)は、アルバイトを含む全社員を対象とし、年1回、ライン長のポストへ挑戦できる「チャレンジ型登用制度」を導入した。
特定のポストを狙って志願できる仕組みで、選考は社長をはじめ役員クラスが面接やプレゼンによって行う。
既存の人事制度の枠を越える思い切った登用を可能にしつつ、現在のライン長に緊張感を与えるのも狙いだ。
昨年10月の初募集では10人以上から応募があり、うち3人が今春から希望のポストに就任している。

男女間賃金格差 解消へ行動計画策定要請――政府PT

省庁を横断して組織する「女性の職業生活における活躍推進プロジェクトチーム」(座長・矢田稚子首相補佐官〈賃金・雇用担当〉)は6月5日、男女間賃金格差の課題と対応策を盛り込んだ中間取りまとめを公表した。
格差が大きい金融業・保険業など5つの産業に対し、今年中に格差解消に向けたアクションプランの策定に着手するよう求めている。
策定に当たり、採用における女性割合など女性活躍に関する目標の設定を呼び掛けるとした。
プランの効果的な策定・実行を後押しするため、女性の活躍推進企業データベースを改善するなどして、格差の「見える化」を促進する。

運転者の最高年収700万円に――サイショウ・エクスプレス

運輸業の㈱サイショウ・エクスプレス(東京都江東区、齋藤敦士代表取締役)は2024年問題への対策として、ドライバーのキャリアパスを整備した。
最上位等級まで昇格した場合、部長と同格として扱い、最高年収700万円で処遇する。
特定の人材に偏りがちだった業務の平準化が不可欠と考え、割り当てられた仕事に対して協調性を持って対応したかどうかなどを評価し、基本給の昇給に反映する仕組みを採り入れている。
全社員で話合いを重ね、2年がかりで求める人材像の設定から等級の定義、約20項目の行動評価基準の策定まで取り組んだ。

第327話「チャンスあれば転職」

東京商工会議所の調査によると、2024年度新入社員に就職先の会社にいつまで働きたいかとの問いで「チャンスがあれば転職」との回答が23年度比6.4ポイント増の26.4%となり、調査記録が残る1998年度以来最高となったことがわかった。
「定年まで働きたい」の21.1%(23年度から3.3ポイント低下)を上回り、長期勤続志向の低下があらわになった。

就職活動が「順調だった」「ほぼ順調だった」は合計で66.2%とコロナ禍以降で最も高かった。
人手不足を背景に売り手市場だったことが背景にあるとみられる。

社会人生活で不安に感じていることでは「仕事が自分の能力や適性に合っているか」(48.9%)、「上司・先輩・同僚と上手くやっていけるか」(42.8%)が上位にあがった。 配属や上司は選べず運任せという意味の「配属ガチャ」「上司ガチャ」を懸念しているようだ。

以上

出張少ない運行業務割当て キャリアアップ上の不利益に――都労委

東京都労働委員会(金井康雄会長)は、遠方への出張が少ない運行業務を組合員に担当させていることが不利益取扱いに当たるとして、中継車などの運行事業を営む会社の不当労働行為を認定した。
「宿泊を伴う出張はやりがいを感じる業務であり、業務経験やキャリアアップの面で不利益に当たらないとまではいえない」としている。
会社に対し、今後同様の行為を繰り返さないことを明記した文書を掲示するよう命じた。
一方で、出張時に支払われる宿泊費や日当がもらえないことは不利益取扱いに該当しないとした。
それらは諸経費に過ぎず、賃金の減少とはいえないと判断した。

キャリア自律支援 希望部署把握し成長促す――オリエントコーポレーション

㈱オリエントコーポレーション(飯盛徹夫代表取締役社長)は、従来の会社主導による人事異動のあり方を見直し、来年4月から社員個人のキャリア志向や成長機会を重視した新たな運用へ移行する。
部・室・店長クラスが面談などを通じて部下一人ひとりに寄り添いながら、自律的キャリアを促す。
キャリア選択の材料として、各部署に自らの業務内容や魅力をアピールするコンテンツを作成してもらい、全社に公開している。
今春から“望まない転居転勤”もなくした。

常用者男性 専門・技術職で31.6万円――令和5年度下半期 中途採用時賃金

厚生労働省によると、昨年度下半期に中途採用された常用労働者・男性の職種別平均賃金は、専門的・技術的職業で31.6万円、事務的職業で35.4万円、生産工程、労務の職業で23.5万円などとなっている。
全体平均では前年同時期と比べて1.8%増と伸びているが、事務的職業に限っては0.8%減と落ち込んだ。女性では販売の職業が3.9%増の21.2万円となり、初めて21万円台に達した。

3コースを総合職に一本化――タカラスタンダード

住宅設備機器メーカーのタカラスタンダード㈱(大阪府大阪市、小森大代表取締役社長)は、エリア総合職と一般職を廃止し、総合職に統合した。
ライフプランに合わせた働き方が選択できるように、全国転勤あり、地方ブロック内で転勤あり、転居を伴う異動なし、の3区分を設け、本人の希望を前提に5年に1回の頻度で相互転換も認める。
区分別に定額の「勤務地手当」を支給することで、処遇に差を付ける。
これまでは約800人いるショールームアドバイザーを全員エリア総合職としてきたが、総合職への一本化により、部門長など全国転勤が必須な役職への挑戦も可能にする。

女性管理職増加で30万円――東京都

東京都は、女性活躍推進のため、女性従業員の処遇改善や賃金の引上げに取り組む中小企業を支援する奨励金制度を開始した。
管理職や役職手当の支給対象となる女性従業員を増やし、男女間の賃金差異のデータを公表した企業などに対し、奨励金30万円を支給する。
働く意欲のある女性が就業調整を行うことなく能力を十分に発揮できるようにするための奨励金制度も新設した。
「年収の壁」の原因の1つとなっている配偶者手当の見直しを行った企業を対象に10万円を交付する。

ライン長から“育成”役割を移譲――SBテクノロジー

SBテクノロジー㈱(東京都新宿区、阿多親市代表取締役社長)は今年4月、これまでライン長が担ってきた人材育成の役割を分解し、プロジェクトマネージャーや管理職手前の“チーフグレード”に移譲した。
事業の急成長に伴い、一部のライン長に業務が集中し、若手の指導に時間を割けないケースなどが散見されていた問題へ対応したもの。
評価制度も見直し、チーフなどに育成スキルを問う評価項目を追加した。
一方で、事業の成長に欠かせない高度専門人材には最高で年俸3000万円を支払う。