第313話「忘新年会実施予定増」

東京商工リサ-チが都内企業988社に忘年会や新年会について尋ねたところ、56.9%が実施予定であることがわかった。
コロナ禍前に忘年会や新年会を開いていた企業は58.8%で、コロナ禍前の水準にほぼ戻った。
昨年の調査では、39.4%の企業が実施予定と回答していた。
「5類移行」が実施率を押し上げたとみられる。
今年の調査で、「コロナ禍前も実施する」と回答した企業は366社だった。
理由(複数回答可)を尋ねたところ、「従業員の親睦を図る」(83.8%)が最多で、「従業員の士気向上」(52.7%)が2番目に多かった。
「コロナ禍前は実施せず、今回は実施する」と回答した企業は197社。
同社では、リモート勤務の浸透などで希薄になった社員同士の結びつきを強める狙いがあると分析している。
一方、「コロナ禍前は実施していたが、今回は実施しない」と回答した企業も212社あった。
理由は、「開催ニ-ズが高くない」(58%)が最多で、「参加に抵抗示す従業員が増えた」(37%)、「在宅勤務が定着して従業員が一堂に会する機会がない」(17.5%)と続いた。
コロナ禍を契機に方針を変えた企業は、全体の約4割に上った。
同社では「コロナ禍を経て社会情勢や従業員の意識が変わり、各企業が社内コミュニケ-ションのあり方を模索している」とみている。

以上

勤続35年超・定年退職金 大学・大学院卒で2040万円――令和5年 就労条件総合調査

厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」によると、昨年1年間に定年退職した勤続35年以上の者の平均退職金は、大学・大学院卒で2037万円、高校卒・現業職で1471万円だった。
前回・平成30年調査と比べると、それぞれ136万円減、158万円減と落ち込んだ。
一時金のみのケースでは、それぞれ1822万円、1321万円となっている。
退職年金制度の支払準備形態では、「確定拠出年金(企業型)」が50.3%と5割を超えている。

育児時短就業給付 「2歳未満」育てる親が対象――厚労省・労政審部会

厚生労働省は、育児期を通じた柔軟な働き方を推進するために創設をめざしている「育児時短就業給付(仮称)」について、制度設計の方向性案を労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会に提示した。
同給付は、子育てのために時短勤務を選択した際の賃金低下を補い、時短勤務の活用を促すもの。
方向性案では、対象者を2歳未満の子を養育する雇用保険被保険者とし、時短勤務開始日前2年間に被保険者期間が12カ月以上あることを要件とした。
時短勤務中の各月に支払われた賃金の一定割合を支給する。具体的な支給率などは今後検討していく。

少子化対策支援金 医療保険料とともに徴収――こども家庭庁

こども家庭庁は少子化対策の財源として新たに設ける支援金制度について、協会けんぽなどの医療保険者に徴収・納付を委託する案を明らかにした。
企業と労働者は医療保険料とともに支援金を徴収される形となる。
制度設計を議論する大臣懇話会(座長=遠藤久夫学習院大学経済学部教授)で示したもので、拠出額は個々人に過度な影響を与えないよう、負担能力に応じた設計にするとしている。
政府は同懇話会の議論を踏まえ、来年の通常国会に関連法案を提出する予定。

総合職モデル 大卒35歳で32.6万円――2023年度版 愛知のモデル賃金

愛知県経営者協会の「愛知のモデル賃金(2023年度版)」によると、総合職・大学卒のモデル賃金は22歳で21.5万円、35歳で32.6万円、50歳で46.2万円などとなり、ピークは60歳で46.6万円だった。
前年結果と比べると、35歳以下の若年層で0.9~2.8%増加し、60歳では2.0%減少している。
現業職・高校卒は、18歳18.1万円、22歳20.3万円、35歳29.8万円、ピークの60歳40.7万円などとなり、30歳以下では総じて2%台の伸び率を示した。
管理職の実在者賃金は、部長相当職が55.2万円、課長相当職が44.2万円で、ともに1.8%減と低下した。

正社員転換への助成拡充――政府・令和5年度補正予算案

政府は11月10日、令和5年度補正予算案を閣議決定した。
同月2日に発表した「デフレ完全脱却のための総合経済対策」を実行するための裏付けとなるもので、厚生労働省関連では、人手不足対応の施策や三位一体の労働市場改革の推進に関する施策などを盛り込んだ。
正社員転換を希望する非正規雇用労働者の正規化を促進するため、キャリアアップ助成金(正社員化コース)を拡充する。
中小企業が正社員化した場合の助成金額を現行の1人当たり57万円から80万円に引き上げるとともに、有期雇用の期間が長期化している労働者も新たに対象に加えるとした。

雇用保険 料率・国庫負担見直しを――財務省・財政制度分科会

財務省は男性の育児休業取得増加による雇用保険財政悪化への対応策として、保険料率と国庫負担割合の見直しを提言した。
社会保障改革を議論する財政制度分科会で方針を示したもので、政府が令和7年度からの開始をめざす育児時短就業給付や育休給付率アップについては別途財源を検討するとしている。
見直しに当たっては将来的な給付の増加を踏まえ、早急に財政基盤を強化すべきと強調した。
育休給付の国庫負担割合は本則8分の1だが、6年度まで80分の1とする特例を講じている。

第312話「子ども預け先、祖父母7割超」

仕事や急用が入ったとき、誰に子どもを預けたらよいだろうか。
女性労働協会(東京・港)が実施した小学校低学年以下の子どものいる保護者への調査によると、子どもを預かってほしいと思ったことがある保護者(1526人)のうち、預け先として「祖父母」を挙げたのは73.2%に達した。
「友人・知人」が17.4%、「祖父母以外の親族」が16.7%だった(複数回答)。
ただ、「預かり先が見つからず自分で子どもをみた」と答えたのも4人に1人の割合に上った。
子どもを預ける際に重視している点は「預かってくれる人が信頼できる」が48.3%で最も多かった。
「利用料金が安い」18.9%や「いつでもすぐに預けられる」の9.8%を大きく引き離している。
同協会では、「不適切保育などが起きている中で、他人に子どもを預けることに抵抗感をもつ人が多いのではないか」と指摘している。

以上

職位・店格基準の「職務給」新設――鹿児島銀行

㈱鹿児島銀行(鹿児島県鹿児島市、松山澄寛取締役頭取)は、今年4月に人事制度を改定し、転居転勤の有無で複線化していた総合職の区分を一本化した。
給与体系を統一し、加算給のみで差を付けることにより、勤務地を限定しない「エリアフリー」と制限をかける「エリア限定」の選択を通算2回まで可能にしている。
併せて、年齢給を廃止し、職位や店格に基づいて定額を支給する「職務給」を新設した。
7段階洗替え方式の「資格給」と組み合わせ、職能資格の高さと役割の価値の両面から処遇している。

介護直面前に情報提供も――厚労省

厚生労働省はこのほど、仕事と介護の両立支援制度の見直しに向けた論点を整理し、労働政策審議会の分科会に示した。
介護休業などを利用せずに離職に至る者が多いとして、介護の必要性に直面した労働者に対し、事業主が両立支援制度を個別に周知して意向を確認する仕組みや、直面する前に情報を一律に提供する仕組みの創設を検討事項に盛り込んだ。
研修の開催や相談窓口の設置などの雇用環境整備も論点とした。
使用者委員からは、中小企業では研修実施が難しいといった意見が出ている。

健康づくり 企業へ専門家チーム派遣――兵庫県

兵庫県は、従業員の加齢による心身の衰え(フレイル)の予防をめざす中小企業に対し、専門家を無料で派遣する事業を開始する。
シニア世代の労働者が健康的に長く働くためには、フレイル予防に関する対策が重要としている。
医師や理学療法士などの医療関係者で構成する「フレイル予防サポートチーム(仮)」が企業に出向き、フレイル予防に向けた健康講話や、効果的な運動方法について、実践を交えながら解説する。
派遣開始は今年12月を予定している。

第311話「女性管理職30%、中小少なく」

人材サ-ビス大手のエン・ジャパンの調査で、女性管理職比率30%以上の中小企業は1割にとどまることが分かった。
社内に手本となるロ-ルモデルがおらず、意識改革が進まない実情があるようだ。
調査では、女性管理職比率が5%以下の企業が全体の63%を占め、30%以上は全体の12%にとどまった。
女性活躍推進に向けた課題(複数回答)を聞くと、「社内に女性のロ-ルモデルがいない(少ない)」、「女性社員の意識」がともに45%で最多で、「管理職の意識」が36%と続いた。
評価に性差が出るとの指摘のほか、大手に比べて人員が少なくて業務の分担や代替ができず、責任の重い業務を女性社員に任せにくいとの声もあった。

以上

社保適用時処遇改善コース 手当支給後の計画提出OK――厚生労働省・Q&A公表

厚生労働省は10月20日、キャリアアップ助成金に新コースとなる「社会保険適用時処遇改善コース」を新設するとともに、事業主向けQ&Aを公表した。
いわゆる「年収の壁」対策として設置した同コースでは、新たに被用者保険に加入した労働者に本人負担分の保険料相当の手当支給などを行う企業に対し、労働者1人当たり最大50万円を助成する。
受給要件であるキャリアアップ計画の作成・提出は、事業所単位で行う。
原則として手当支給などに取り組む前に提出する必要があるが、来年1月末までに取組みを開始するケースについては、例外的に事後提出を認める。

社保適用時処遇改善コース 手当支給後の計画提出OK――厚生労働省・Q&A公表

厚生労働省は10月20日、キャリアアップ助成金に新コースとなる「社会保険適用時処遇改善コース」を新設するとともに、事業主向けQ&Aを公表した。
いわゆる「年収の壁」対策として設置した同コースでは、新たに被用者保険に加入した労働者に本人負担分の保険料相当の手当支給などを行う企業に対し、労働者1人当たり最大50万円を助成する。
受給要件であるキャリアアップ計画の作成・提出は、事業所単位で行う。
原則として手当支給などに取り組む前に提出する必要があるが、来年1月末までに取組みを開始するケースについては、例外的に事後提出を認める。

6要素評価で役割給改定――ピジョン

ピジョン㈱(東京都中央区、北澤憲政代表取締役社長)では、基本給について役割給一本とし、業務遂行や人材育成、チームビルディングなど6つの要素について等級別の行動基準を満たしていたかどうかを評価して改定している。
高評価を収めた場合は5%超の昇給を可能とする一方、低評価の場合は数%の降給を実施。等級と役職が連動する課長以上のライン長に対しては、降格時の降給率もルール化した。
ポイント制を採る賞与に関しては、評価次第で支給ゼロもあり得る「別テーブル方式」を用いている。
業績評価の点数に応じ、細かく付与ポイントに差を付ける。

6要素評価で役割給改定――ピジョン

ピジョン㈱(東京都中央区、北澤憲政代表取締役社長)では、基本給について役割給一本とし、業務遂行や人材育成、チームビルディングなど6つの要素について等級別の行動基準を満たしていたかどうかを評価して改定している。
高評価を収めた場合は5%超の昇給を可能とする一方、低評価の場合は数%の降給を実施。等級と役職が連動する課長以上のライン長に対しては、降格時の降給率もルール化した。
ポイント制を採る賞与に関しては、評価次第で支給ゼロもあり得る「別テーブル方式」を用いている。
業績評価の点数に応じ、細かく付与ポイントに差を付ける。

若手と60歳超を15%増――明治安田生命保険

明治安田生命保険相互会社(東京都中央区、永島英器取締役 代表執行役社長)は、来年4月に内勤者約1万人の給与体系を見直し、年収ベースで平均7%アップさせると明らかにした。
年功的な要素を廃止することで3%引き上げるほか、第三の手当として新設する「価値創造報酬制度」に基づいて4%相当の特別手当を支給する見込み。
役割に基づく要素を高めで賃金カーブの修正を図るのが狙いで、入社5年目までの若手と60~65歳のシニア層に関しては平均で15%アップになるとしている。

若手と60歳超を15%増――明治安田生命保険

明治安田生命保険相互会社(東京都中央区、永島英器取締役 代表執行役社長)は、来年4月に内勤者約1万人の給与体系を見直し、年収ベースで平均7%アップさせると明らかにした。
年功的な要素を廃止することで3%引き上げるほか、第三の手当として新設する「価値創造報酬制度」に基づいて4%相当の特別手当を支給する見込み。
役割に基づく要素を高めで賃金カーブの修正を図るのが狙いで、入社5年目までの若手と60~65歳のシニア層に関しては平均で15%アップになるとしている。