職長級年収額 とびで637万円に――CCUS・技能者の職種別年収 国交省

国土交通省がCCUS(建設キャリアアップシステム)の能力評価に応じて試算した技能者の年収額は、職長級(レベル3)の平均(全職種平均)で628万円だった。
職種別では、電気工事588万円、土工590万円、左官618万円、鉄筋636万円、とび637万円などとなっている。
公共工事労務費調査で収集した実在者8.5万人のサンプルを基に、試算したもの。
全職種平均のレベル別年収は、見習い相当の初級技能者501万円、中堅技術者569万円、高度マネジメントレベル877万円で、初級技能者と職長級の水準差は1.3倍だった。

学習志向尊重し配属を――経産省

経済産業省は、中小企業・小規模事業者の人材戦略を後押しするため、「人材活用ガイドライン」を策定した。
経営課題を解決できる人材の採用・育成に向けて、人事評価制度の策定やキャリアパスの見える化を提案している。
自ら希望するキャリアを構築できるように、本人の学びたい内容を尊重・優先して配属先・転属先を決めるなどの配慮も必要とした。
ガイドラインと同時に、各地方経済産業局を通じて収集した中小企業50社の取組みをまとめた優良事例集を作成している。

労働移動円滑化 モデル就業規則改正へ――政府・骨太方針を閣議決定

政府は6月16日、政策の指針となる「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)を閣議決定した。
「新しい資本主義の加速」を柱に、成長分野への労働移動の円滑化やリスキリングによる能力向上支援など労働市場改革を進め、構造的に賃金が上昇する仕組みを構築するとした。
自己都合退職時の退職金減額といった労働慣行を改めて労働移動を促進するため、モデル就業規則の改正や退職所得課税制度の見直しを進める。
能力向上支援では、教育訓練給付など個人に直接給付する支援策を強化する。多様な働き方の推進にも注力し、選択的週休3日制の普及などに取り組むとした。

第299話「シニア女性のへそくり夫の倍」

シニア女性向け雑誌「ハルメク」が2022年10月、50~79歳の既婚男女600人に実施した調査で、「自分だけのへそくり」があるかとの質問に対し、あると答えたのは夫で36.7%、妻で45.3%だった。
金額を聞くと、妻の平均額は739万円で夫の平均額334万円を大きく上回った。
使い道を聞くと、夫は「自分の趣味に使いたい」が48.2%と多かったの対し、妻は「予期していない突発的な出費への備え」44.1%、「自分の老後の生活費として」39.0%が上位だった。
同紙では、妻のへそくりの多さは、女性の平均寿命が長く、夫の死後の生活への不安が大きいと分析している。
男女とも自分で稼いだお金をためている人が多いが、妻は生活費の一部や親の遺産をへそくりにしている人も多かったと報告している。

以上

短時間女性 東京の時間給1530円――厚労省・令和4年 短時間労働者の賃金

厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、短時間労働者・女性の1時間当たりの所定内給与額は1270円だった。
都道府県別では、東京1530円が飛び抜けて高く、大阪や愛知が1300円台で続き、東北や九州の各県は1100円前後に集中している。
職種別に経験0年の水準をみていくと、看護師1649円、介護職員1127円、電話応接事務員1364円、販売店員1042円、飲食物調理従事者1040円、食料品等製造従事者1007円となっている。

36協定 手続き怠り特別条項無効――彦根労基署

滋賀・彦根労働基準監督署(古川八三署長)は、労働者4人に36協定の限度時間を超えて月100時間以上の時間外労働をさせたとして、電子部品の製造請負業を営む㈱サンファミリー(滋賀県長浜市)と同社営業所長を労働基準法第32条(労働時間)と第36条(時間外、休日労働)違反の疑いで大津地検に書類送検した。
同社は特別条項付の36協定を締結していたが、協定上の「限度時間を超えて労働させる場合における手続」として定めた「労働者代表者に対する事前通知」を怠っていた。
月99時間までの時間外労働と休日労働を可能とする特別条項は無効の状態だった。

特定技能2号 2分野から11分野へ拡大――政府

政府は、建設と造船・舶用工業の2分野のみに認めている在留資格「特定技能2号」について、9分野を追加して計11分野に拡大する運用方針を閣議決定した。
追加されるのは、特定技能1号の対象分野のうち、自動車整備、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、飲食料品製造業、外食業、宿泊など。
最長5年までしか在留できない1号に対し、より高い技能が求められる2号は、在留期間に上限がなく長期就労が可能で、人手不足を背景に、経団連などが対象の拡大を要望していた。

第298話「18歳、必ず子を持つは12%」

日本財団が2022年12月に実施した「18歳意識調査」によると、「必ず子どもを持つと思う」と回答した人は12.4%にとどまった。
「多分持つと思う」の33.2%と合わせても半数に届かなった。
「絶対に持たないと思う」9.1%と「多分持たないと思う」13.9%は合わせて2割を超えた。
一方で「将来子ども持ちたいと思う」は35.7%、「どちらかと言えば持ちたいと思う」は22.9%で、合計で6割近くの人は持つことを希望していることも分かった。
子を持つうえでの障壁(複数回答)としては、「金銭的な負担」が69%でトップで、続いて「仕事との両立」が54.3%だった。
いづれも女性が男性を上回った。
7割超の人が少子高齢化に危機を感じており、政府に求める少子化対策(複数回答)は「教育の無償化」が最多で、「子育て世帯への手当・補助金の充実」が続いた。

以上

男性育休促進へ給付率引上げ――政府・こども未来戦略方針素案

政府は、少子化対策の方向性を示した「こども未来戦略方針」の素案を明らかにした。
今後3年間の集中的な取組みとして、男性育休の取得促進や、働き方と子育ての両立に向けた多様な選択肢の確保などを挙げた。
両親ともに育休を取得した場合に、最大4週間手取り収入が減少しないよう、2025年度から育児休業給付の給付率を引き上げる。
多様な働き方を支えるセーフティーネットの構築に向け、28年度をめどに雇用保険の適用対象者を拡大。週所定労働時間が20時間未満の労働者も対象に加える。

働き方改革推進 登録コンサルが伴走支援――高知県

高知県は企業の働き方改革を推進するため、登録コンサルタントの定期訪問による伴走支援を開始する。
男性育休推進や人事制度見直しなどの取組みが対象。
登録コンサルについては、県内在住の社会保険労務士など国家資格保有者に研修を行い、養成する。
同県では中小企業の相談に対応できる社労士などが不足しているという。
研修や伴走支援を通じてノウハウを身に着けてもらい、継続的な支援を行える専門家を増やしていく。

男性所定内 東京・中企業39.3万円に――厚労省 令和4年都道府県別賃金

厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」の都道府県別集計によると、中企業で働く男性・一般労働者の所定内給与は東京39.3万円、大阪34.8万円、愛知32.8万円だった。
前年結果と比べると順に2.8%増、2.9%減、0.1%減となり、東京と大阪の差は4.5万円に広がっている。
職種別では、システムエンジニアを含むソフトウェア作成者は、男性が東京38.4万円、大阪30.3万円、愛知27.9万円、同・女性は30.8万円、26.3万円、24.6万円で、同一地域の男女間で1~2割の差が付いている。

第297話「春闘賃上げ率の中間集計」

労働組合の中央組織「連合」が今春闘の賃上げ率の中間集計を公表した。
それによると、「定昇相当込み賃上げ計」は加重平均で11,022円・3.69%(昨年同期比4,765円・1.58ポイント増)、うち300人未満の中小企業は8,456円・3.39%(同3,362円・1.33ポイント増)となった。
有期・短時間・契約等労働者の賃上げをみると、加重平均で賃上げ額は時給58.70円(昨年同期比33.18円増)・月給8,897円(同3,313円増)となった。
このまま推移して最終集計で賃上げ率が3%台になれば、平成6年以来の高水準となる。

以上

精神障害の労災認定 迅速審査へ評価表見直し――厚労省

厚生労働省は、精神障害の労災認定基準の見直しに向けた専門検討会の報告書案を明らかにした。
請求件数が大幅に増加するなか、審査を迅速・適切に行えるようにするため、業務上の心理的負荷に関する評価項目を追加・整理した新たな評価表を盛り込んでいる。
評価項目の1つに、カスタマーハラスメントを追加した。
パワーハラスメントに関しては、性的指向・性自認に関する精神的攻撃も対象になることを明確化した。

職長級の年収900万円に――積水ハウス

積水ハウス㈱(大阪府大阪市、仲井嘉浩代表取締役 社長執行役員兼CEO)の住宅施工部門では、来春から技能工の人事処遇制度を改定し、職長級の年収を最大900万円へ大幅に引き上げる。
新たに施工スキルの熟練度を3段階で評価する仕組みを採り入れ、昇格と連動させて多能工化を進めていく。
従来は熟練者に独立を認め、ともに施工を担うなどの体制をとってきたが、直接雇用化を進めて“内製化”を図る。
担い手となる高卒人材の増員をめざして、来年度の新卒採用計画は2.4倍、翌25年度は3.4倍に拡大する。

常用者男性 専門・技術職31.0万円に――厚労省・令和4年度下半期 中途採用時賃金

厚生労働省が集計した令和4年度下半期の「中途採用者採用時賃金情報」によると、常用者・男性の職業別平均賃金は、専門的・技術的職業31.0万円、生産工程・労務の職業22.7万円、輸送・機械運転の職業25.1万円だった。
産業別では、26.2万円の建設業や26.3万円の製造業で前年同期比0.8~1.2%増と伸びた一方、37.5万円の情報通信業は1.8%減少している。
宿泊業,飲食サービス業では男女ともに2%台半ばの伸びを示し、コロナ禍前(元年下半期)の水準を上回った。

第296話「男性育休の取得日数9日増」

明治安田生命保険が2022年8月、0~6歳の子どもがいる既婚男女1100人の調査から子どもを持つ男性が、長めの育休を取るようになってきたことが分かった。
育休を取った男性は23.1%で前年調査より3.3ポイント減ったが、取得日数は平均で30日で、前年の平均21日と比べると9日延びた。
社内研修などを通じて子育ての大変さを感じた男性が、長めの育休を望む傾向にあると分析している。
ただ、制度はあるものの、取り易さは企業によってさがあるようだ。
育休を取得していない理由を男性に聞いたところ「給与が減るなど、金銭的な面でとりにくい」(育休未取得の男性のうち21.0%)のほか、「利用するための職場の理解が足りない」(同19.3%)という回答が多かった。
2022年10月からの法改正で「産後パパ育休」制度が始まり、分割取得などで男性の育休取得を促しているが、実際に育休を取るには職場の理解や雰囲気作りが重要となる。

以上

中企業課長 所定内賃金46.3万円に――厚労省 令和4年賃構 役職者・標準者賃金

課長級の所定内給与は、大企業が59.2万円、中企業が46.3万円、小企業が39.3万円に
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、課長級の規模間格差は大企業の水準に比べて中企業は22%、小企業は34%低くなっている。
新卒で入社した企業に継続勤務する労働者を指す「標準者」の賃金は、大学卒・男性で20~24歳が23.5万円、30~34歳が32.9万円、ピークの50~54歳は56.0万円などとなっている。

「3歳まで在宅勤務」盛り込む――厚労省・有識者研究会

厚生労働省は「今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会」(座長・武石恵美子法政大学教授)に、両立支援策の見直しの方向性に関する論点案を提示した。
育児との両立支援に向けて、3歳までの子を育てる労働者がテレワークで働けるようにする仕組みの導入を企業の努力義務とすることを盛り込んだ。
短時間勤務が困難な業務への代替措置としても、テレワークを位置付ける。
子の看護休暇については、対象となる子を現行の「小学校就学前」から「小学校3年生修了時まで」に広げる。

育休中の能力開発 受講費負担した企業へ助成――東京都

東京都は、育児休業中の従業員が自ら希望して受講したスキルアップにつながる講座に対し、受講費用を負担する企業への助成金制度を創設した。
中小企業の場合は負担した費用の3分の2、年間で計100万円を上限に助成する。
福利厚生の一環として自己啓発を支援する制度の導入を促すのが目的で、研修費用の全額を負担するのか一部なのかは問わない。
育休を4週以上連続して取得することを条件とし、長期間取得しやすい環境を整備するとともに、復帰への不安感から離職するケースを防ぐのが狙い。