SE所定内 男性は34.6万円に――厚労省 令和4年賃構調査(職種別)

厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、役職者を除いた男性の職種別所定内給与は、社内システムエンジニアを含む「ソフトウェア作成者」が34.6万円、「自動車組立従事者」が27.9万円、スーパーや小売店の「販売店員」が25.2万円だった。
女性では、看護師30.5万円、ソフトウェア作成者28.7万円、販売店員20.1万円などとなっている。
ソフトウェア作成者・男性の経験年数別の水準は、0年の24.6万円に対して15年以上では1.7倍の41.5万円となっている。

専門性高い人材 採用活動開始日前倒し――政府

政府は、令和8年春卒業予定の学生の就職・採用活動について、専門性が高い学生の採用選考開始日を前倒しする方針を決定した。
対象は、卒業年度の直前の春休みに2週間以上の日程で行われる「専門活用型インターンシップ」に参加し、専門性が高いと判断された学生。
要件を満たした学生に対しては、政府の現行ルールで大学4年の6月1日以降としていた選考開始日を3カ月前倒しし、大学3年の3月から行えるようにする。

民間企業夏季賞与 15年ぶり40万円超も――シンクタンク・予想

民間企業の1人当たり夏季賞与の平均額が、2年連続で増加する見込みであることが、シンクタンク3社の予想により分かった。
増加幅の予測は1・8~2・8%増と、やや差が出る形となっており、最も高い予想をした三菱UFJリサーチ&コンサルティングはリーマン・ショック直前の2008年以来15年ぶりに40万円を超えるとしている。
最も厳しい予想をしたみずほリサーチ&テクノロジーズは22年度下期の企業収益に弱含みがみられるとして、支給月数が横ばいになると分析した。

管理職継続なら年収維持――ダイワコーポレーション

倉庫業の㈱ダイワコーポレーション(東京都品川区、曽根和光代表取締役社長)は今年4月から定年再雇用者向けに全4階層の新人事制度を導入し、報酬制度を整備した。
引き続き役職に就く人材は定年前の年収を維持する。
非役職者の基本給も定年前の8割に引き上げ、対象外だった家族手当なども支給する。
評価制度も適用し、今後は年1回、昇降給および昇降格を行う。
平均年齢は36歳と若く、定年到達者が増えるのも2030年代に入ってからと見込むが、先手の対策によって人材の定着を図る。

技能実習廃止し新制度へ――政府有識者会議・中間報告たたき台

<外国人技能実習制度を廃止して新たな制度に転換へ>
政府が設置した技能実習制度および特定技能制度のあり方に関する有識者会議は、制度見直しに向けた中間報告書のたたき台を明らかにした。
目的と実態のかい離がみられる技能実習制度を廃止し、人材確保と人材育成を目的とする新たな制度の創設を検討すべきと提言している。
技能実習に設けている転籍制限は緩和する方向。
監理団体は要件を厳格化したうえで存続することとし、監理能力の向上を図っていく。

同一労働同一賃金 中小含め報告徴収へ――東京労働局

東京労働局(辻田博局長)は今年度、大手企業を中心に進めてきた同一労働同一賃金に関する指導を強化し、中小・零細企業を含めて規模を問わずに報告徴収を行う。
今年3月から開始している管内全18労働基準監督署による情報収集の結果を基に、著しい格差がみられた企業は労働局に呼び出し、1社ごとに改善指導をする。規模301人以上の企業に義務付けられた男女間の賃金の差異などの情報公表についても履行を求め、公表された内容によってはヒアリングの対象とする。

第291話「採用計画達成できず6割」

企業の採用意欲が回復し、学生の売り手市場となっている中、2023年春入社の採用について「計画人数が達成できず募集追加した」企業は35.1%、「達成できなかったが追加募集はしなかった」企業は23.4%と、当初の計画を達成できなかった企業は6割に迫った。
採用活動で苦労していることについて聞くと、「応募数が少ない」と「内々定辞退が多い」がともに55.9%で最も多かった。
募集をかけても十分な人数が集まらず、内々定を出しても辞退する学生が多いことに対する企業の不安が、採用活動の早期化につながっている面がある。
政府や経済界による連絡会議で示されたル-ルでは選考活動の解禁は大学4年6月以降となっているが、面接の開始時期について尋ねたところ、5月頃に面接を始めると回答した企業は86.1%にのぼった。
追加募集をした企業の対策を複数回答で尋ねたところ、最も多かったのは「個別説明会を開いた」の60%。次いで多かったのが「自社に興味を示すも応募のない学生へのアプロ-チ」で42.5%だった。
従来の一括採用とは異なる採用活動に取り組む企業も増えていて、企業が学生と直接つながる「ダイレクトリクル-ティングの活用」(32.8%)が広がっているほか、若年層に身近な「SNSで告知した」(9.4%)という企業もあった。

以上

大卒・男性で23.0万円に――厚労省 令和4年賃構 新規学卒者の賃金

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、通勤手当を含む男性の新規学卒者の所定内賃金(同年3月卒)は、大卒23.0万円、高卒18.3万円だった。
大卒では1000人以上の大企業で23.5万円、100~999人の中企業で22.9万円、10~99人の小企業で21.9万円となっている。
前年に比べて、大企業は4200円増、中企業は3600円増と伸びたのに対し、小企業は800円減少した。
一方、女性に関しては小企業で高騰しており、大卒が9300円増の22.1万円、高卒が9500円増の17.6万円となり、大卒では男性を上回った。

最賃履行へ重点監督――厚労省

厚生労働省は、令和5年度地方労働行政運営方針を策定した。
最低賃金・賃金の引上げに向けた支援の推進を重点施策の1つに掲げた。
企業における賃金引上げの参考になるよう、労働基準監督署が企業の好事例などを紹介し、取組みを後押しする。
最賃改定時には、最賃の履行確保に問題がある業種などを対象とした重点監督を展開する。
賃金支払い方法として新たに認められた「デジタル払い」については、制度の周知を進めるとともに、法令違反の疑いがある企業に対して指導を実施していく。

時間外労働 労働者が自己申告せず――大阪中央労基署

大阪中央労働基準監督署(下岡恵輔署長)は、人事部員3人と営業部員1人が行った時間外労働のうち、会社に申告しなかった時間について、割増賃金を支払わなかったとして、鉄道業の南海電気鉄道㈱(大阪府大阪市)と同社人事部担当課長、元SC営業部担当課長の1社2人を労働基準法第37条(割増賃金)違反などの疑いで大阪地検に書類送検した。
同社が残業時間を一定の範囲に抑えるよう指示していたために、4人が超過分の申告を控えていたとみている。
実際の時間外労働は最長月108時間に上る。

第290話「スタ-トアップの就労に好意的」

求人サイト運営のヒュ-マングロ-バルタレントの調査によると、スタ-トアップで働くことに好意的な人材は74%にのぼり、給与よりも自分の能力を発揮しやすい環境や働きがいを求める声が多かった。
好意的な印象の理由としては「急成長中の業界で新しいプロジェクトに取り組める」(18%)、「自分のアイデアを生かして仕事に責任を持って取り組める」(16%)と言った回答が目立った。
全体の中で、スタ-トアップで働いたことがないと回答した人の87%が今後働いてみたいと答え、そのうちの55%にあたる人は「希望する仕事ができるなら現在の給与より低くても入社を検討する」と回答し、中でも1年以内に転職を希望するとした回答も52%に上った。
スタ-トアップで働くことに「ネガティブ」な印象を持つ人は全体の6%と少数だが、「長時間労働」や「将来の不確実性」などをあげる声も多かった。

以上

育児支援施策も加算対象に――東京都・魅力づくり奨励金

東京都は、従業員のエンゲージメント向上や賃金引上げに取り組む中小企業を対象とする「魅力ある職場づくり推進奨励金」を今年度から拡充した。
新たに結婚や育児支援の取組みを支給対象に加えたもので、短時間正社員制度やセレモニー休暇、産休・育休取得者の同僚に対する手当などを創設した場合、取組みごとに10万円、最大で30万円を支給する。
エンゲージメント施策や賃上げと併せて取り組む場合、最大130万円の奨励金が受給できる。
非正規社員を正規雇用に転換した企業に対する助成金にも、同様に育児支援で加算する仕組みを追加し、最大98万円を助成する。

男性育休取得推進 実績ある企業が助言――埼玉県・新事業

埼玉県は今年度から、男性の育児休業取得推進のため、取得実績のある企業の人事担当者を、他の企業への助言を行う推進員に任命する。
「育休を取得させたいが、代替要員が確保できない」などの課題を抱えた企業が推進員を訪問し、ノウハウを学ぶ。
同県ではこれまで、社会保険労務士などの専門家派遣による支援を行ってきたが、さらに実際に同じ立場で課題を解決した担当者に話を聞ける機会を提供し、企業の取組みを促進する。

第289話「テレワ-クは仕事に慣れてから」

学情の調査によると今春入社予定の新社会人でオフィスへの出社をメインに希望する人は5割を超え、テレワ-クを主体とした人の約2倍だった。
仕事に慣れてからとの回答も2割に迫った。
テレワ-クを取り入れながらも上司や同期とのコミュニケ-ションが必要と感じている人が多いようだ。
入社する企業にテレワ-クの制度があった場合、「利用したい」「どちらかと言えば利用したい」との回答は合わせて7割を超えた。
一方、「利用したくない」「どちらかと言えば利用したくない」の合計は7.3%にとどまった。
テレワ-クの実施頻度を尋ねたところ、「週1~2回」が37.3%と最多だった。
「入社後仕事に慣れてから」は18.2%で、業務内容や仕事の進め方を覚える段階では、上司の顔を直接見られないテレワ-クに不安を感じる人が少なくないと分析している。

以上

部長の月給モデルは59万円――アイティフォー

㈱アイティフォー(東京都千代田区、佐藤恒徳代表取締役社長)は今月、約20年ぶりに人事制度を改定した。
役割や職責に応じた賃金体系をめざし、役職手当を引き上げ、職種手当の支給対象を見直している。
新たに役職別のモデル年収を社内に示し、部長に関しては子供2人を持つケースで月例給が10.2%増え、約59万円になるとしている。
不透明だった昇格要件を明確化したのと併せて、若年層がキャリアパスを描きやすくして離職の防止をめざしている。

ハラスメント対策を徹底――厚労省・第4次均等基本方針案

厚生労働省は、男女労働者の均等な雇用機会・待遇の確保に向けた施策の方向性を示す「第4次男女雇用機会均等対策基本方針」案を労働政策審議会の分科会に提示した。
依然として男女格差は解消していないと指摘し、性差別禁止などの均等法の履行を確保しつつ、働き続け、能力を伸長・発揮できる環境を整備する必要があるとした。
その取組みの1つにハラスメント対策の推進を掲げた。
近年の法改正内容の周知を徹底するほか、就職活動中の学生に対するセクハラへの対応も周知啓発するとした。

フルタイム男性 ピーク時41.7万円に――厚労省 令和4年賃構調査(概況)

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査(概況)」によると、一般労働者・男性の所定内賃金は34.2万円(前年比1.4%増)だった。
年齢階級20~39歳において2.2~2.7%増とめだって伸びている。
ピークを迎える55~59歳は41.7万円で0.7%増に留まった。
企業規模別では、常用労働者1000人以上の大企業が38.7万円、100~999人の中企業が33.1万円、10~99人の小企業が30.8万円で、伸び率は同じ順に2.8%増、1.0%増、1.5%増となっている。

通勤手当不支給 不合理性なしと判断――津地裁

大手電子部品メーカーの日東電工㈱で働く非正規労働者60人が、正社員との間の待遇格差を不服として訴えた裁判で、津地方裁判所(竹内浩史裁判長)は労働者らの請求を一部認め、同社に計3200万円の支払いを命じた。
扶養手当とリフレッシュ休暇、特別休暇、年次有給休暇の半日取得を不合理とする一方、通勤手当や賞与・賃金差などは不合理と認めなかった。
通勤手当については、代替手段として通勤バスを手配していた点を重視。
旧労働契約法第20条(不合理な条件の禁止)における「その他の事情」として考慮し、不合理性はないと判断している。