東京都/中小企業の賃金事情 都内中小のモデル賃金 大卒35歳で30.6万円に 若手除き軒並みダウン

東京都の「中小企業の賃金事情」調査によると、大卒のモデル賃金は22歳21.1万円、35歳30.6万円、45歳37.9万円、ピークの55歳43.7万円となった。初任給に当たる22歳と25歳以外では前年比ダウンし、40歳以上では総じて2%以上の減少率を示した。対照的に学卒初任給は堅調で、大卒では金融業,保険業が22.0万円に達し、高卒では宿泊業,飲食サービス業が20.0万円などとなっている。

最賃遵守へ集中監督実施 小売・飲食など700社 東京労働局

東京労働局(土田浩史局長)は、昨年10月1日に発効した地域最低賃金(1013円)を管内企業に遵守させるため、今年2月まで集中的な監督指導を展開する。最賃引上げの影響が大きい食料品製造業や小売業、飲食業など700事業場程度を調査し、法違反があれば是正勧告していく。昨年同時期に実施した監督での違反率は、全国集計を上回る18.7%に上る。「最賃額自体の周知は進んだものの、対象となる労働者など最賃制度の詳細を理解していない事業場が少なくない」(同労働局)という。

複数就業者 雇保・労災で保護強化 一括5法案提出へ 通常国会 厚労省

厚生労働省は、雇用保険法改正案、高年齢者雇用安定法改正案、労災保険法改正案など、主要労働5法案をまとめた「雇用保険法等の一部改正案要綱」を作成した。今通常国会へ一括審議法案として提出する。マルチジョブホルダー(複数就業者)に対する雇用保険と労災保険の適用に関する取扱いや高年齢者の70歳までの就業機会の確保などが柱となる。令和2年度の失業給付等の保険料率は1000分の6(労使折半)で、今年度から変更はない。

「アジャイル型組織」・チームリーダーに基本給加算・業績評価の運用任せる――アフラック

アフラック生命保険㈱(東京都新宿区、古出眞敏代表取締役社長)は、マーケティング、契約サービス、ITなどの各部門から専門人財を集めてチームをつくり、短期間で成果を創出する「アジャイル型の働き方」を推進している。今年1月には、参加メンバーを処遇するため、評価・報酬・育成などの仕組みを整えた。業績面の評価はチームを率いるプロダクトオーナーに委ね、チーム内で目標設定を達成度評価を行うルールを明確にした。プロダクトオーナーは非管理職が担うこともあり、責任と処遇が一致しないケースがあるため、ポストに応じて基本給に加算を行う。

ベア要求額提示せず・各労組が水準設定へ――自動車総連・今春労使交渉方針

トヨタや日産などの労働組合でつくる自動車総連(髙倉明会長)は、中央委員会を開催し、「2020年総合生活改善の取組み方針」を決定した。昨年に引続き、産別労組としてのベースアップ基準を示さず、各労組自らがめざすべき賃金水準と要求額を設定するとしている。企業内最低賃金に関する取組みも強化し、すべての労組が協定を締結するとしたほか、18歳の最低要求額を16万4000円に定めた。

労務面で企業診断認証制度・働き方改革を後押し・4月から――全国社労士会連合会

全国社会保険労務士会連合会(大野実会長)は今年4月、労働関係の法令遵守や働き方改革に取り組む企業を支援するため、取組みを社労士が診断し、同連合会が認証する「社労士診断認証制度」を開始する。就業規則や36協定の整備状況などを確認するもので、取組み状況などに応じた3段階の認証を用意する。それぞれ要件を満たした企業にはマークを付与するほか、特設サイトに企業情報を掲載。同連合会は、「認証を受ければ『人を大切にする企業』であることをアピールでき、人材確保面の効果が見込める」としている。

小規模・男性のピーク631万円――国税庁調査

国税庁の民間給与実態統計(平成30年分)によると、従業員30~99人の小規模事業所に勤務する男性の平均年間給与のピークは、631万円だった。中堅規模の500~999人では1.18倍の748万円、5,000人以上では1.42倍の896万円などとなっている。賃金カーブにおいてもめだった規模間格差がみられ、20~24歳の水準に対するピーク時の格差は、小規模で2.29倍、中堅規模で2.42倍、5,000人以上では3.56倍だった。

副業・勤続5年以上に対象拡大・”支援休暇”も新設――アサヒビール

アサヒビール㈱(東京都墨田区、塩澤賢一代表取締役社長)は、今月から勤続5年以上の全社員を対象に副業を解禁した。これまでは、定年退職後の再雇用人材に限って認めていた。他社への就業は認めず、個人が保有するスキルを活用した業務委託契約や個人事業主としての活動のみ容認する。活動は就業時間外のみとするが、新たに月2日の「副業支援休暇」を制定し、社員が取り組みやすい環境もつくっている。

柔軟な働き方へ総合支援・テレワーク導入促す・リカレント教育にも注力――東京都

東京都は、長期的な政策の方向性を示した「『未来の東京』戦略ビジョン」を策定した。「誰もが輝く働き方の実現」を2030年に向けた重点戦略の1つに位置付けている。在宅勤務やサテライトオフィス勤務など時間・場所にとらわれない柔軟な働き方を実現するため、中小企業向けテレワークスペースの整備や、コンサルティングなど総合的な支援を展開する。高齢者を含む幅広い世代が生涯を通じてスキルや知識を高められるよう都立大などにおけるリカレント教育(学び直し)にも力を入れるとした。

「オヤカク、企業の半数実施」

オヤカクは「親に確認」の略称。内定者や選考中の学生の内定を承諾したことに ついて、親が賛成しているか確認することを指している。親の意向で学生が内定 を辞退する「親ブロック」を防ぐのに有効とみる企業が多い。

人材サ-ビスのネオキャリアが2019年3月に大学・大学院を卒業する子を持つ 親618人と309社から有効回答を得たデ-タによると、内定後に実際に行った オヤカクについて企業に複数回答で聞いたところ、何かしらの施策を行ったのは 47.6%に達した。2018年の前回調査から6.3%増えた。 最も多かったのは「企業情報を親へ送付」が23.0%で前回から4.6%増えた。 さらに、「親向けの内定同意書の用意」が15.5%、「親向けの内定理由通知書を 親に送付」が12.6%で、前回に比べほぼ倍増している。

また、内定者の親に手紙を送っているケ-スもある。手紙に子どもを評価した 理由を書くことで、会社のことも応援してくれるようになる傾向があるようだ。 一方、内定者の親に対してどのようなオヤカクを希望するか聞いたところ、 「特にない」が73.6%に達した。しかし、子どもの就活に関しては「就職して ほしい企業とそうでない企業がある」という答えが55.3%と過半数を占めた。 「企業によっては内定辞退を促す」という回答も20.4%に達した。 私大を中心にキャリアセンタ-が親向けに就職ガイダンスを開く大学も多く、 その際の担当者のアドバイスで共通しているのは「金は出しても口だすな」。 子の意向を妨げずに、ほどよく伴走して就活の完走を見守る距離感も重要では。 以上

メンバーズ/社員一斉テレワーク 残業時間10%減る 詳細な手引きが奏功

㈱メンバーズ(東京都中央区、剣持忠代表取締役社長、1192人)は、今夏に迫る東京オリンピック・パラリンピック期間中の予行演習として、昨夏に社員500人が参加する2週間の「一斉テレワーク」を実施した。事前に、140ページにおよぶ社外で働く際のルールをまとめたマニュアルを用意し、勤務時間のルールなどを周知した。就業場所は原則自宅とし、難しい場合には会社が契約するシェアオフィスで働くよう定めている。結果、業務上の支障は発生せず、そのうえ残業時間が10%減る副次的な効果が得られた。

学卒・男性21.3万円に――厚労省・確定初任給調査

厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査(初任給)」によると、大学卒・男性の確定初任給は21万2,800円となり、前年比で2,700円アップした。平成26年から6年連続で改善が進み、伸び率でも前年結果を0.2ポイント上回った。企業規模別では中・小企業の伸びがより大きく、100~999人では4,100円増、10~99人では2,900円増と上昇している。大学卒・女性は20万6,900円となり、4,300円増と2年ぶりにプラスに転じた。高校卒は男女とも2,300円伸び、それぞれ16万8,900円、16万4,600円となっている。

今春から週休最大4日・出勤する曜日は固定――SMBC日興証券

SMBC日興証券㈱(東京都千代田区、清水喜彦代表取締役社長)は、週休4日制、3日制を導入する。週休4日制の対象は40歳以上の正社員で、40~50歳代は利用目的を介護に限定。週休3日制は30歳から利用を認め、30歳代は利用目的を育児と介護に絞った。月給は出勤日数に応じて、それぞれ60%、80%支給する。利用を希望する社員には申請を求め、1年ごとの更新制を採る。毎週の出勤曜日は固定する。