厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、平成30年平均(速報)の月間給与総額は32.4万円となり、前年比では1.4%増加した。26年からプラスで推移しており、過去5年間で最高の伸び率を示している。 物価の変動を加味した実質賃金指数も、0.2%増とわずかだがプラスに転じた。一方で雇用形態別の所定内給与については、フルタイム労働者が1.0%増の31.2万円、パートタイム労働者の時間当たり給与が2.3%増の1,136円となり、揃って改善している。
月別アーカイブ: 2019年2月
中小の事業承継・世襲ありきから脱却を――中経連・提言
中部経済連合会(豊田鐵郎会長)は、中小企業の事業承継・譲渡の円滑化に関する提言書を公表した。世襲ありきの姿勢が事業承継を困難にしていると指摘し、 家族以外にも視野を広げて候補者を探すとともに、マッチングの成功例、失敗例を収集してデータベースに蓄積し、広く共有できるようにすべきとした。 今後、厚生労働省などの関係省庁や、商工会議所などの経済団体に提言していくとしている。
ICT活用・会計伝票16万枚ゼロに――遠鉄・生産性向上策
遠州鉄道㈱(静岡県浜松市、斉藤薫取締役社長)は、会計伝票とグループ会社間の請求書のやり取りを電子化した。年間16万枚あった紙伝票がゼロ枚になり、印刷や保管の作業がなくなる。 一部のアルバイト採用では、面接に替えて応募者の「自撮り動画」を活用、面接日程調整などの時間を省く。ICT(情報通信技術)を駆使し、生産性向上をめざす。
理由不問で機関上限もなし――スリーエス/在宅勤務
産業用機密機器メーカーの㈱スリーエス(東京都北区、吉田秀樹代表取締役、61人)は従業員が働きやすい環境をつくるために様ざまな試みをしている。 最も力を注ぐのが在宅勤務だ。利用者を増やすために、申請の理由や入社年次、配属部署、人事評価、役職、在宅勤務の期間などの条件は設けていない。 週5日すべてを在宅勤務にすることもできるが、可能なら週1日の出社を求める。これまでに3人が、家庭の事情などで制度を利用した。 制度開始前に、システムによる勤怠管理を導入し、ITセキュリティー対策を強化した。
大卒35歳モデル31.9万円に――情報労連「ITエンジニアの労働実態調査」
情報労連の「ITエンジニアの労働実態調査」によると、大卒のモデル所定内賃金は、22歳21.1万円、35歳31.9万円、45歳40.2万円、55歳42.2万円などとなった。 35歳で初任時の1.5倍を超え、ピークを迎える50歳43.2万円では2.05倍に達するカーブを描いている。各社での最低額・最高額から集計した賃金レンジは、SEが25.9万~41.5万円、 プロジェクトリーダー等が35.1万~48.2万円などとなっている。
障害者就労・週20時間未満を拡大――厚労省
厚生労働省の労働政策審議会障害者雇用分科会(阿部正浩分科会長)は、「今後の障害者雇用施策の充実強化」に関する意見書案を明らかにした。 短時間であれば就労可能な障害者の雇用機会確保を支援するため、週所定20時間未満の雇用障害者数に応じて、事業主に特例的な給付金を支給するとしたほか、 中小企業を対象とする優良認定制度を創設する方向である。障害者雇用納付金の徴収対象を常用労働者「50人以上」に拡大するとみられていた点については、「引き続き検討」とトーンダウンした。
〝他社雇用型”含め解禁――アプラスフィナンシャル/副業・兼業
㈱アプラスフィナンシャル(大阪府大阪市、渡部晃代表取締役社長、連結1381人)は昨年11月、1週当たり20時間未満、1カ月平均30時間未満などの条件で社員の副業・兼業を解禁した。 個人事業主型だけでなく他社に雇用される形での働き方も認め、社内で得られない知識や人脈、多様な価値観の獲得をめざす。 他社雇用型を認めるか否かについては、先行事例でも対応が二分している。同社では事前に、「副業を理由に転勤や残業を拒否できない」などと誓約させている。
総合職・大卒35歳38.4万円に――経団連・東京経協「定期賃金調査」
経団連と東京経協が実施した「2018年6月度定期賃金調査」によると、総合職・大卒35歳のモデル賃金は38.4万円となり、前年比で約4,500円アップした。 前年調査での減少傾向から一転し、すべての年齢ポイントで1~2%程度持ち直している。ピークを迎える55歳61.3万円は、初任時に対して2.8倍の水準だった。 役職者賃金についてもほとんどの役職でわずかだが改善がみられ、部長は1.3%増の69.7万円、課長は0.4%増の53.5万円などと伸びている。
前年獲得額超す賃上げへ――Uゼンセン・19春闘方針
UAゼンセン(松浦昭彦会長)は1月30日、大阪で開いた第7回中央委員会でおよそ2%の賃上げ実現に向けた19春闘方針を決定した。 松浦会長は「中小の賃上げを重視する」と述べ、前年以上の獲得にこだわる考えを強調した。人材流出の防止と採用競争力強化の観点から必要だと経営者目線で迫るよう促す方針。 悪質クレーム対策、感染性疾病対策、勤務間インターバル規制の導入など、部門・部会ごとの必須メニューにも取り組む。
「兼業・副業禁止が7割」
リクル-トキャリアが人事部の管理職を対象に実施した調査(2217人から回答)で
社員の兼業・副業について、
「禁止している」が71.2%で
「容認している」25.2%、
「推進している」は3.6%という回答を得た。
国は、働き方改革の一環として広めようとしているが、企業側は社員の長時間労働につながるといった懸念が強く、労働時間の管理と責任という観点からも慎重な姿勢をとっていることがわかった。
禁止している理由の上位3つは
① 社員の長時間労働、過重労働を助長する ・・・ 44.8%
② 労働時間の管理、把握が困難 ・・・ 37.9%
③ 情報漏洩のリスクがある ・・・ 34.8%
で、以下
・競業となるリスク、利益相反になる
・労働災害の場合の本業との区別が困難
・人手で不足や人材の流出につながる
などであった。兼業・副業の就業規則での位置付けについては、禁止しているが60.8で最も多いが規定自体がないも17.4%あった。現行の労働基準法では、労働時間は事業場や事業主が異なる場合も通算すると規定されている。しかしながら、通算時間をどのように把握すべきかはっきりと決められておらず、企業側には万が一の時のリスクと責任の所在に対する懸念が強くある。兼業・副業を広げるためには、全体の労働時間や労働災害時の責任のあり方等を明記していく必要がある。
以上
4年目から異動範囲限定も――カインズの新コース制
ホームセンター大手の㈱カインズ(埼玉県本庄市、土屋裕雅社長)は今年3月、入社4年目から選択可能なリージョナル社員コースを追加する。 海外勤務もあるナショナル社員に対し、異動の範囲について全国を4つに分けたブロック内に制限するもの。 人材管理上、入社後7年間を集中的な育成期間と位置付けるなかで、従来は30歳まで勤務地限定の選択肢がなかった。 遠方への配転がない区分を設けることで、成長過程の若手に多様なワークライフを提供する。処遇面では新たに2種類の手当をつくり、コース間の格差を確保した。 ナショナル社員に「選択手当」を支給する一方、実際に自宅等を離れて勤務している人材に「隔地勤務手当」を加算する。
広がる「仮眠室設置」――集中力向上めざす
企業規模にかかわらず、仮眠室を設けて就業時間中に昼寝を推奨する企業が増えている。 リフレッシュによって社員の集中力を高め、労働生産性を上げるのが目的だ。このうちの1社である三菱地所では実証実験を行い、仮眠後の集中度の高まりを裏付けた。 厚生労働省は、午後早い時刻における30分以下の昼寝に効果があるとしている。
広がる「仮眠室設置」――集中力向上めざす
企業規模にかかわらず、仮眠室を設けて就業時間中に昼寝を推奨する企業が増えている。 リフレッシュによって社員の集中力を高め、労働生産性を上げるのが目的だ。このうちの1社である三菱地所では実証実験を行い、仮眠後の集中度の高まりを裏付けた。 厚生労働省は、午後早い時刻における30分以下の昼寝に効果があるとしている。
AI導入で作業時間短縮――情報産業サービス協会・事例集
一般社団法人情報サービス産業協会(横塚裕志会長)は、様ざまな産業における働き方改革を推進するため、 取組み時に役立つ最新ITについて解説し、その導入企業事例を示した報告書「IT活用からはじめる、働き方改革」をまとめた。 効果的なツールとしてAI(人工知能)とRPA(ロボットによる業務自動化)を提示し、作業時間短縮につなげているケースを取り上げている。 テレワーク導入時のセキュリティー対策の重要性も指摘し、静脈認証を採用した事例などを紹介した。
AI導入で作業時間短縮――情報産業サービス協会・事例集
一般社団法人情報サービス産業協会(横塚裕志会長)は、様ざまな産業における働き方改革を推進するため、 取組み時に役立つ最新ITについて解説し、その導入企業事例を示した報告書「IT活用からはじめる、働き方改革」をまとめた。 効果的なツールとしてAI(人工知能)とRPA(ロボットによる業務自動化)を提示し、作業時間短縮につなげているケースを取り上げている。 テレワーク導入時のセキュリティー対策の重要性も指摘し、静脈認証を採用した事例などを紹介した。