㈱京葉銀行(千葉県千葉市、熊谷俊行代表取締役頭取、2144人)は、男性の育児参画推進に力を入れている。男性行員がより取得しやすいよう、部下が育児休業を取ると管理職の人事考課に加点が付くよう工夫したほか、時短勤務のトライアルを実施した。 夫婦参加型セミナー「ファミリーカフェ」の開催や、管理職による「イクボス宣言」の実施など、職場全体で仕事と家庭の両立への意識を高め、働きやすい風土作りにも取り組む。成果は着実で、今では毎年、対象者の7~8割が育休を取得している。
月別アーカイブ: 2019年1月
契約社員の”最高位”を新設――ベルシステム24
㈱ベルシステム24(東京都中央区、拓殖一郎社長)は昨年12月、契約社員の待遇改善に向けて全社統一的な枠組みを採り入れた。最高位の区分として新設した「Glade11+(プラス)」では、正社員と同じ業績評価を実施し、年間1カ月分の賞与を支給する。 短時間勤務者のキャリアアップを後押しする狙いから、全社で300人とする人数枠の半数を月80~160時間勤務者に割り振っている。一方で組織・拠点ごとに人材管理を進めてきた一般の契約社員に対し、共通の評価制度を採り入れた。 100点満点中70点以上を獲得した場合、勤務時間数をベースとした評価一時金を支給する。
危機管理能力強化へプログラム作成へ――厚労省・31年度新規事業
厚生労働省は平成31年度、企業のマネージメント力を支える人材育成強化プロジェクト事業(仮称)を新たにスタートさせる。 近年、セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント、情報セキュリティーの不備などに端を発する不祥事が相次ぎ発生し、 職場環境の悪化や生産活動の停滞につながるケースが拡大している。様々な危機管理対応を含む総合的なマネージメント力を強化する研修プログラムを新規に開発し、 主に中小企業を対象とした人材育成を後押しする考えである。
残業削減へ休息9時間で開始――スリーハイ/勤務間インターバル
産業用・工業用ヒーターを製造業する㈱スリーハイ(神奈川県横浜市、男澤誠代表取締役、33人)は、残業時間削減に向けて昨年3月、勤務間インターバル制度を導入した。 導入前に、年間の全社員の残業時間や残業代を共有し、現状の認識を深めた。従業員が互いに支え合うことで業務を効率化し、ムリやムダを省くために全社で情報共有も進めた。 毎日の朝礼や会議の内容を充実させ、回数を増やす取組みも。導入以降、残業時間は減る傾向にある。休息時間は現在9時間だが、今後11時間への延長も検討している。
大卒35歳モデル30.9万円に――中小の賃金・退職金事情
東京都の「中小企業の賃金・退職金事情」調査によると、大卒のモデル賃金は22歳20.7万円、35歳30.9万円、45歳38.7万円などとなり、ピークの55歳は44.8万円だった。4年ぶりに改善傾向を示し、40~50歳では前年比1.2~2.3%増と伸びている。退職金制度を持つ企業は全体の7割超を占め、定年時のモデル退職金は大卒1,203万円、高卒1,127万円となった。2年前の前回調査と比較すると、それぞれ5.7%増、4.1%増と伸びている。
連合と社労士・残業ルールで共同宣言――「上限規制」の開始控え
4月施行の「罰則付き時間外労働の上限規制」で、連合(神津里季生会長)と全国社会保険労務士会連合会(大西健造会長)は1月7日、「共同宣言」を締結した。 長時間労働を見直し、多様な人材が活躍できる職場環境にすることが、人口減少国家・日本の喫緊の課題という認識を共有したもの。 労働組合のない屋の中の多くの中小企業等に同様の認識を連携して浸透させていく考えで、「残業にもルールがある」と広く呼び掛けていく。
パワハラで慰謝料250万円命じる――長崎地裁
広告制作を行う㈱プラネットシーアール(長崎県長崎市)のデザイナーが、上司からパワハラを受け精神障害を発症したとする訴訟で、長崎地方裁判所(土屋毅裁判長)は、上司の注意が業務を逸脱したいじめ行為に当たると判断した。 パワハラに対する慰謝料250万円と未払い残業代など含め計2000万円の支払いを命じた。上司は、目つきが気に食わないなどと注意したほか、午前中いっぱいを叱責に費やした日もあった。いまだに職場復帰できる状態でない点も重視した。
非正規・個人指す際は実態名で――連合・呼称見直しに着手
連合は、「非正規」の呼称見直し作業に着手した。本部がまとめた「考え方」を基に各産別での討議をこのほど促したもので、今秋の定期大会で正式決定をめざす。 個人と結び付けて使用する際は「パート(有期、派遣)で働く仲間」のように雇用の実態を表す形にし、社会的課題として表現する場合は「非正規雇用」「非正規労働問題」などと呼称する考え。 非正規であることが不本意か否か個々の背景が違ったり、同じ働く仲間のことを指す言葉として不適切とする意見が存在したりすることが背景にある。
事務課長のピーク61.7万円――人事院「民間の給与実態」
人事院の職種別民間給与実態調査によると、課長級の所定内給与のピークは、事務系で48~52歳未満61.7万円、技術系では56歳以上60.7万円だった。 大学新卒者が含まれる係員級20~24歳の水準と比べると、それぞれ2.89倍、2.81倍の水準となっている。 一方、定年制に関する調査では、定年を61歳以上とする本店事業所の割合は12.4%、定年制なしは0.6%だった。延長ないし廃止済み事業所の2割強で、60歳到達を理由に減額する仕組みを入れている。
「人材確保に成功している中小企業の取組み」
2017年版中小企業白書によると、人材確保に成功している中小企業の取組みを見てみると
(複数回答可)、
1位 ・・・ 能力や適正に応じた昇給、昇進 33%
2位 ・・・ 成果や業務内容に応じた人事評価 29.0%
・・・・・時間外労働の削減、休暇制度の利用促進 29.0%
4位 ・・・ 職場環境、人間関係への配慮 28.7%
5位 ・・・ 研修、能力開発支援 25.6%
6位 ・・・ 他社よりも高い賃金水準 23.4%
7位 ・・・ 作業負担の軽減や安全確保の徹底 21.8%
8位 ・・・ 勤務時間の弾力化 17.2%
9位 ・・・ 家賃、住宅に係る補助、手当て 10.3%
10位 ・・・ 育児、介護に係る補助、手当て 8.6%
となっている。男性社員、女性社員それぞれに人材定着と育成に必要だと思える取組は何かとの問いには、男性社員53.5%、女性社員55.7%と共に「能力や適正に応じた昇給、昇進」が1位で企業の取組みと一致していた。
一方、「他社よりも高い賃金水準」については男性社員51.6%で2位、女性社員45.1%で3位と、共に企業の取組み6位より上位となっている。
以上