今年7月にグループ4社の統合を果たしたSOMPOケア㈱(東京都品川区、遠藤健社長)は、同時に人事制度を統合した。
地域別に在宅介護から施設介護までのワンストップサービスを実現する統合の狙いに合わせ、13の職種ごとに等級体系を統一している。
一般社員層の介護職には、全10等級の体系を整備し、評価によって早期昇格で報いていく仕組みをつくり込んだ。
昇格以外でも基本給は一律で1,000円昇給とし、賞与にも評価格差は設けない。
一方で施設長などを処遇する管理職には年俸制を適用し、変動部分において3~5段階の洗替えを行う。
月別アーカイブ: 2018年9月
悪質クレーム・サービス現場で横行――UAゼンセン調査
外食や介護、パチンコをはじめ様ざまなサービス業の現場で働いている労働者が、顧客からの悪質なクレームや迷惑行為で強いストレスを受けている実態が判明した。 UAゼンセン(松浦昭彦会長)の調査で同様に回答した人が73.8%もいることが分かったもので、8月には国としての対策を厚労相に直接要請し前向きな回答も獲得。 ILO(国際労働機関)が顧客や第三者も加害者に含むハラスメント条約を制定する流れもあり、企業は動向を注視すべき状況にある。
働き方改革へ相談体制強化――中企庁・平成31年度概算要求
経済産業省は平成31年度、中小企業対策として、生産性向上・働き方改革・人手不足対策や、事業承継支援に重点的に取り組む。 31年度概算要求において、多様な経営課題に対応する「よろず支援拠点」設置や専門家派遣などを行う「ワンストップ総合支援事業」に前年度予算比11・9億円増の62・1億円を計上した。 同拠点のコーディネーターを増員し、相談体制を強化する。企業の現状を踏まえて事業承継計画の策定支援などを行う新規の「事業承継・世代交代集中支援事業」には、45億円を計上した。
生産性向上を賞与で還元――りそなグループ
グループ全体で生産性向上に取り組む㈱りそなホールディングス(東京都江東区、東和浩取締役兼代表執行役社長)は、今夏の賞与でその成果を社員に還元した。 残業削減等で浮いた人件費の一部を総原資に加算したうえ、個人の支給額にも本人の貢献度を勘案した。 支給額の決定権を持つ所属長に対して、人事部門から部下一人ひとりの年間残業時間数ならびに時間外勤務手当の金額などの参考データを提供している。 グループでは近年、退社時刻ルールの大幅な繰上げを進め、かつては営業店で21時、本部で22時までとしていたルールを、すでに一律19時にまで早めている。
5年間で接客マスターへ――㈱あぶらや燈千のマルチタスク推進
旅館業を営む㈱あぶらや燈千(長野県下高井郡、湯本孝之社長)では、新人を接客関連業務全般を担える人材に育て上げるため、職務領域ごとにスキル要件を体系化し、 複数職務への対応度を昇格要件とする人事制度を運用している。新卒入社した人材にはまずフロントと仲居の職務を同時に担当させ、 5年程度でそれぞれの基本事項のマスターを促す仕組みだ。一方で作業単位ごとに全員の習得度合いを一覧化する「業務星取表」を活用し、柔軟なシフト編成を実現している。 半期ごとの人事考課では、会社方針、改善目標、固有スキルの習得などを1つの様式で評価し、基本給の改定に結び付けている。
不合理な待遇差解消へ指針案――厚労省・働き方改革
厚生労働省は、短時間・有期雇用労働者等に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針案を明らかにした。 昨年12月に作成した「同一労働同一賃金ガイドライン案」を大幅に修正している。 不合理な待遇の相違を解消するため、労使の合意なく通常の労働者の待遇を引き下げるのは望ましくないことや、 定年後に継続雇用された有期雇用労働者であることのみをもって直ちに待遇の相違が不合理ではないとは認められないとしている。 併せて、待遇差に関する説明義務の具体的実施方法も示した。
内定者が3年生に自社説明――スターティア/後輩集客
ITインフラ関連事業のスターティア㈱(東京都新宿区、笠井充代表取締役社長、430人)は、内定辞退防止や入社後の早期離職を防ぐ3つの試みを行っている。 特徴的なのは、内定者が後輩である大学3年生を、選考とは無関係の就職活動の勉強会に参加するよう誘い、実際の参加者数を競い合うイベント「後輩集客」だ。 入社する会社のことを丁寧に説明する過程で、帰属意識を醸成する。内定者の保護者向けに内定を出した理由などをまとめた手紙とDVDを送付するほか、全社員が参加する運動会も開いている。
事務課長の所定内69万円に――人事院・職種別民間給与調査
職階別の賃金を調べている人事院・職種別民間給与実態調査によると、課長級の平均所定内給与額は事務系59.0万円、技術系57.8万円だった。 非役職者の係員クラスに比べ、それぞれ2.05倍、1.91倍の水準となっている。技術系では2~3%台の伸びを示す職階が散見された一方、事務系では係長以下の一般層が軒並みマイナスに転じた。 定年後再雇用者でも、係員クラスは2.8%減の24.6万円と落ち込んだ。改善が続く大卒初任給は、事務系で1.1%増の20.1万円、技術系で0.7%増の20.4万円となり、伸び率がさらに高まっている。
「建設業」の技術・技能系19万円台に――労働新聞社調査・31年度高卒の求人初任給
企業の人材獲得欲が著しく高まっていることが、労働新聞社の高卒求人初任給調査で鮮明になった。とくに求人数が激増している技術・技能系は前年を3千円ほど上回る18万円台半ばまで高騰。 より高い水準となった販売・営業系は、事務系とともにサンプル数が少なく、あくまで参考レベルにとどめたい。技術・技能系は全業種とも前年の金額を上回っているが、「建設業」は19万円台に乗った。
介護職員の月給者21万円に――介護労働実態調査
介護労働安定センターの平成29年度介護労働実態調査によると、月給制で働く介護職員の給与は21.1万円となった。5年連続で改善がみられた一方、伸び率は前年調査の4.8%増から1.6%増に低下している。 訪問介護員は0.7%増の19.8万円、サービス提供責任者は2.6%増の23.1万円、介護支援専門員は0.1%増の25.6万円などとなっている。時間給者では、介護職員が11円増の956円と伸び、訪問介護員は6円減の1,249円と2年連続で落ち込んだ。
病児保育補助など開始――小野薬品
小野薬品工業㈱(大阪府大阪市、相良暁代表取締役社長)は、2014年度と比較して15~17の各年度に減少した残業代の全額を、病児保育や資格取得の補助といった形で社員に還元し始めた。 社員が自ら選べる福利厚生メニューの充実も図った。社員への還元とは別に、減った残業代に応じた金額を会社が拠出し、医療関係のNPOなどに寄付する活動も開始した。社会貢献活動と連動させ、社員の働き方改革に対する意欲を高める。
36協定指針案・時間延長は最小限に――厚労省・安全配慮義務も考慮を
厚生労働省は、改正労働基準法第36条第1項の協定(36協定)で定める労働時間の延長および休日労働について留意すべき事項に関する指針案などを明らかにした。労使当事者は、協定締結に当たって、労働時間延長や休日労働を「必要最小限」に留めるよう指摘している。 使用者に対しては、協定上の時間数を超えて労働させることができる時間内であっても、労働契約法第5条に基づく安全配慮義務を負う可能性があると明記。使用者による年次有給休暇時季指定義務に関しては、前倒し付与の運用について規定した。
「働く女性の28%が経験」
独立行政法人の労働政策研究・研修機構が全国6500社で働く25~44歳の女性
約2万6千人を対象に実施したセクハラに関する調査によると、セクハラ被害
を受けた経験があるとの回答が28.7%あった。その相手は、上司が24.1%で最
も多く、同僚・部下が17.6%、別の部署の社員が12%で、取引先・顧客も7.6%あった。
セクハラの態様としては(複数回答)
・容姿や年齢、身体的特徴について話題にされた・・・53.9%
・不必要に体に触られた・・・40.1%
・性的な話や質問をされた・・・38.2%
・結婚、子供の有無など私生活について必要以上に質問された・・・36.8%
・酒席などでお酌やデュエットを強要された、席を指定された・・・35.2%
・女の子、おばさん、などと呼ばれた・・・31.3%
・性的関係を求められた・・・16.8%
などがあがった。セクハラを受けた後の対応では、加害者に抗議したのは10.2%に留まり、我慢したや特に何もしなかったが63.4%で最も多かった。
以上