平成29年度下半期に中途採用された常用者・男性の平均賃金は、専門的・技術的職業28.7万円、事務的職業32.4万円、生産工程、労務の職業22.6万円などとなった。男性全体では25.6万円、前年度下半期に比べて2.4%増加しており、事務的職業など6職種が2%以上伸びている。女性では事務的職業が21.2万円、販売の職業が18.7万円などとなり、全体平均は2.5%増の20.4万円だった。急激な上昇傾向が続いており、この5年間で1.8万円、約10%アップしている。
月別アーカイブ: 2018年6月
キャリア形成へ長期休暇制――MSD
製薬業のMSD㈱(東京都千代田区、ヤニー・ウェストハイゼン代表取締役社長)は、社員の成長促進や、キャリア形成支援を目的に「ディスカバリー休暇」と名付けた長期休暇制度を導入した。年間40日付与し、語学留学や長期のボランティア活動への参加、副業の実施などを想定する。 分割取得ができるため、週休3日で働くことも可能だ。
ダイバーシティ経営で女性活用の情報公表強化を――経産省
経済産業省は、ダイバーシティ経営の推進に向けた有識者検討会を開き、 企業や政府において女性活用に関する情報公開を強化すべきとする提言を取りまとめた。情報公開を進めることで、労働市場や資本市場から人材と資金を企業に呼び込むのが狙い。提言では、取締役・監査役への女性登用などにより、取締役会における多様性の確保も求めた。提言内容に沿って、企業の実践すべき事項を示した「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」の改訂も行っている。
「働く女性2000人意識調査」
日本経済新聞社が行った調査によると、現在の仕事に“やりがい”を感じている女性は39.1%で、年代別では30代が42.2%と最も高く40代が36.0%と最も低かった。やりがいを感じている39.1%の主な理由は、
・やりたい仕事ができるから ~ 31.7%
・責任ある仕事が任されているから ~ 27.0%
・成長を感じられるから ~ 16.9%
一方、やりがいを感じていないと回答した26.3%の主な理由は、
・仕事に見合った給料をもらっていないから ~ 23.8%
・やりたい仕事ができていないから ~ 23.0%
・成長を感じられないから ~ 18.1%
であった。
また、管理職になりたいと思わない主な理由として、
・責任が重くなるから
・精神的負担が大きいから
・自分には向かないから
が上位を占めた。
女性に対して、管理職志向を持つよう育成してこなかったことに加えリ-ダ-のモデルが固定化されていることも背景としてあること、強い指導力があり仕事で成果を出せる人、というリ-ダ-像と自分とのギャップを感じて、向かないと思い込む女性が多いと分析している。
更に女性自身の意識として“キャリアアップよりワ-クライフバランスを重視したい”“結婚相手には自分より多く稼いでほしい”という女性は8割を超えた。
以上
役職廃止し360度評価主体へ――ネットプロテクションズ
㈱ネットプロテクションズ(東京都中央区、柴田紳社長)は今年10月、マネージャー職を廃止し、360度評価を昇給・昇格に反映する新人事制度「Natura」へ本格的に移行する。 社員が互いに3要素11項目のコンピテンシー評価を行うもので、マインド5項目、基礎スキル2項目を4段階で採点し、さらに複合スキル4項目を「どのグレードに見合うレベルか」で評価する。 新設した5段階のグレード別に年収レンジを設ける一方、原則として査定による昇給格差は付けない。基本的にはレンジ内のゾーンに応じて0.5~2.5%の昇給を行う。社員間の競争意識を排除することで、個人が成長と能力発揮に注力できる環境の構築をめざす。
残業禁止は不当と相当額支払い命じる――大阪府労委
所定時間外労働を禁止され、経済的な不利益を受けたとして、労働組合が救済を申し立てた事案で、大阪府労働委員会(井上英昭会長)は、使用者の㈱トライメディカルサービスに他の従業員と同じように所定外労働をしていれば得られたであろう賃金相当額の支払いを命じた。組合結成と同時期から所定外労働を認めなくなったのは、組合嫌悪によるものと判断した。
大手の定年モデル退職金2,700万円――中労委・退職金調査
大手企業のみを対象とする中央労働委員会「退職金、年金および定年制事情調査」によると、大卒・総合職の定年モデル退職金は2,690万円となった。2年前の前回調査から8.3%伸びている。会社都合時のモデル退職金も改善し、全勤続ポイントで3~4%台の伸び率を示した。拡大傾向が続く確定拠出年金(企業型)は、退職年金制度を持つ企業の3分の2で採用していた。一方で再雇用後の基本給については、定年前の50~80%未満とする企業が5割強を占めている。
時間削減率で一時金支給――明電舎
㈱明電舎(東京都品川区、浜崎祐司取締役社長)は今月8日の賞与支給時に、年間総実労働時間の削減率に応じて一時金を支払った。金額は削減率によって3段階に設定している。「働き方改革推進室」を立ち上げて労働時間削減に取り組んできた経緯があり、一時金は社員の頑張りに報いた形。今後、総実労働時間の減少を個人の昇給に反映する方針を示す。
平成31年大卒求人初任給・技術系で3000円増に――労働新聞社調査
平成31年3月に卒業を見込む大学生を対象に企業が提示している求人初任給の水準を本紙が調べたところ、技術系職種が前年より3千円ほど高くなっていることが分かった。一般職はおよそ1600円、前年平均を下回ったものの18万円台半ばに到達し、総合職の21万円台は2年連続。収益向上のカギを握る営業系は23万円をクリアするなど、人手不足に苦しむ企業の求人意欲が現れている。
大手の定年モデル退職金2,700万円――中労委・退職金調査
大手企業のみを対象とする中央労働委員会「退職金、年金および定年制事情調査」によると、大卒・総合職の定年モデル退職金は2,690万円となった。2年前の前回調査から8.3%伸びている。会社都合時のモデル退職金も改善し、全勤続ポイントで3~4%台の伸び率を示した。拡大傾向が続く確定拠出年金(企業型)は、退職年金制度を持つ企業の3分の2で採用していた。一方で再雇用後の基本給については、定年前の50~80%未満とする企業が5割強を占めている。
生産性要件の利用拡大へ――厚労省・労働関係助成金で
厚生労働省は、労働関係助成金における生産性向上に対する割増し支給制度の活用拡大を企業に呼びかけている。助成金の申請企業が会計年度の3年度前に比較して1%以上生産性をアップさせた場合、助成率を上乗せするものだが、ここ10カ月間の支給実績は全体で約3000件に留まっている。厚労省では、金融機関との連携強化や生産性要件担当の事業主支援アドバイザーを配置して制度の積極的な周知、活用促進に力を入れ始めた。
IT人材育成へプログラム――中経連・イノベーション促進策
中部経済連合会(豊田鐵郎会長)は、AIやIoTなどの共通基盤技術を活用しイノベーションを起こせる人材を育成するため、イノベーションドライバー育成プログラムを作成、今年6月からスタートさせた。将来技術に対する理解を深めるとともに、社会的な活用方法を検討し、ビジネスプランに落とし込む能力を磨く。中部圏のIT人材不足が背景にある。
大卒総合職のピーク55歳63万円――中労委「大手のモデル賃金調査」
大手企業380社を調査対象とする中央労働委員会の賃金事情調査によると、大卒・総合職のモデル賃金は22歳21.7万円、35歳39.8万円、45歳54.9万円、55歳62.6万円などとなった。30歳代で2%弱の伸びを示すなど、すべての年齢で前年結果を上回っている。ピークを迎える55歳の水準は、新卒22歳の2.89倍だった。加重平均した所定内賃金が前年比1,400円増の36.3万円と伸びた一方、所定外賃金は2,300円減の6.3万円と落ち込んでいる。
「女性管理職」
東京都は2017年9月に従業員30人以上2500社のうち703社から有効回答を得た男女雇用平等参画状況調査を発表した。
都内企業で課長職以上に占める女性の割合は2017年度8.6%で、前年の2016年度に比べると0.6%上昇。
係長以上を対象にすると14.5%、そのうち役員は6.8%、部長は6.5%、課長は9.5%で係長が25%であった。
管理職昇進に尻込みする女性は少なくなく、上司から管理職になることをすすめられた場合、男性は“引き受ける”が44.9%であるのに対して女性は15.9%に留まっており、“引き受けない”が29.1%にのぼっている。過去1年間に、子供が生まれた従業員のうち育児休業を取った女性は、前年より0.2ポイント低下の93.3%で、男性は4.9ポイント上昇の12.3%となり、男性の取得が広がりつつある。
しかし、男性の取得期間は5日未満が21.6%と最も多く女性最多の6ケ月から1年未満の39.1%とは差が開いたままとなっている。
以上