労働7法を一括改正へ――厚労省・働き方改革で

厚生労働省は、次期国会へ提出をめざす「働き方改革促進法案」をまとめた。時間外労働の上限規制と高度プロフェッショナル制度の創設に加え、非正規雇用労働者の処遇改善、勤務間インターバル導入促進など、多数の改革事項を一本化した法案となっている。改正する主な法律は、労働基準法をはじめ、パートタイム労働法、労働時間等設定法など合計7本になる。中小企業の割増賃金率の引上げなどを除き、原則として平成31年4月1日の施行を見込んでいる。

テレワーク導入へ流れ加速――地銀

地方銀行でテレワークの拡大が進んでいる。㈱北陸銀行では、生産性向上やワーク・ライフ・バランス(WLB)の実現などを目的に、今月から営業店・本部の両方で試行を開始した。昨年から社内インフラの整備を進め、導入に向けた下地が整いつつあった。㈱常陽銀行は今年1月からの試行を今月末で終え、10月から正式に制度化する予定。対象は育児中の社員に限定している。富山銀行は本店移転を機にテレワークを行いやすくする方針だ。

職種別モデルやめ役割基軸に――ヤマハの新・一般社員制度

ヤマハ㈱(静岡県浜松市、中田卓也社長)は昨年10月、一般社員層に役割を基軸とする等級・評価・報酬制度を採用した。職種別のコンピテンシーをベースとしていた旧制度を大きく見直すとともに、35歳まであった年齢昇給を廃止し、基本給の一本化を図っている。等級の大括り化を進めて若手の早期活躍を促す一方、新たに技能職全般と企画職の下位層に対し、高い評価を取れば上限を超えて昇給できるルールも採用した。コンピテンシー基準だった評価制度はよりシンプルな形となり、役割のレベルで3パターンを使い分ける総合評価方式へ移行している。

同一労働同一賃金導入へ業界別マニュアル――厚労省・30年度方針

厚生労働省は平成30年度、同一労働同一賃金の実現など非正規労働者の処遇改善と時間外上限規制に向けた企業支援対策を強化する方針である。非正規労働者の多いサービス業などを対象とした業界別の「同一労働同一賃金導入マニュアル」を作成するほか、正規労働者との間の不合理な待遇差を解消する相談員を全国都道府県労働局に配置する。時間外上限規制の「技術的な相談」に応じるため、労務管理の専門家を配置した「働き方改革推進支援センター」(仮称)も新設する。

70歳雇用実現26社に助成金――埼玉県

埼玉県は定年制廃止などを新たに実施する県内企業26社に対し、「70歳雇用推進助成金」の交付を決定した。就業規則を見直し、実際に定年廃止などの実施が確認できた後に交付する。助成額は1社当たり最大で180万円。併せて県内企業17社に対し「生涯現役実践企業」の第1回認定を行った。認定企業は「三つ星企業」の表示が可能となり、同県のホームページに企業名などが掲載される。

SE・プログラマの年収590万円――経産省・IT産業の給与等調査

経済産業省の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によると、顧客向けシステムの開発・実装に従事するSE・プログラマの年収は593.7万円だった。高度SE・ITエンジニアはその1.31倍に当たる778.2万円、プロジェクトマネージャは1.48倍の891.5万円、コンサルタントは1.53倍の928.5万円などとなっている。年功的な給与制度を持つ企業ほど同年齢における年収格差が小さい傾向が明らかになった一方、55歳時の最高・最低水準の格差は年功型で約1.4倍、能力・成果重視型でも約1.6倍にとどまっている。

「有給休暇を取得できない・しない・しづらい理由は」

2017年7月18日から19日に20代から50代の男女1000人を対象にBIGLOBEがインタ-ネットで調査を行った。(複数回答)

第1位 ・・・職場に休める雰囲気がないから                 33.6%
第2位 ・・・休むと同僚が多く働くことになるから      22.9%
第3位 ・・・上司、同僚がとらないから                         22.3%
第4位 ・・・自分でコントロ-ルできない業務だから    21.1%
第5位 ・・・業務対応が発生するかもしれないから      18.1%
第6位 ・・・他の日に残業しなければならなくなるから 17.1%
第7位 ・・・罪悪感を感じるから                                   13.1%
第8位 ・・・何となく心配で休む勇気がないから          11.5%
第9位 ・・・取得申請が面倒だから                             10.3%
第10位 ・・・上司に許可してもらえないから                   8.7%
第11位 ・・・評価が下がりそうだから                              8.5%
第12位 ・・・休暇を使ってやりたいことがないから         8.0%

となった。また、「同僚が取得した際、働く人はどのように感じるのか」という調査では、「取れるならどんどん取った方がいい」が34.6%でトップ。
次いで「自分も取りたい」が31.9%だった。「イライラする」「怠慢だ」等の感情を持つのは少数だった。
不快感を示す人が少ないにもかかわらず、「職場に休める雰囲気がない」と感じる人が多い現状を改善するために何が必要か、という調査に対しては「会社の制度を変えるべき」が66.6%を占め、「個々の意識を変えるべき」の33.4%を大きく上回り、企業側に休暇を取得する仕組みづくりを求める声が多かった。

以上

人手不足対策にタブレット――ローソン

大手コンビニエンスストアの㈱ローソン(東京都品川区、竹増貞信代表取締役社長、連結9403人)は、人手不足および複雑化する店舗業務の効率化を目的に、新たなタブレット端末を導入し始めた。画面に商品陳列や清掃作業の「出来栄え基準」を示すことで、経験の浅い従業員でも作業に馴染みやすくしている。11月には、操作ステップのナビゲーション機能や自動釣銭機機能を備えた新型レジも導入予定。シニアや外国人の従業員でも使いやすくすることでレジ業務の効率化を図り、生産性を上げる。

技術革新の雇用影響を注視――JAM・ものづくり基盤強化へ

300人未満クラスの中小サプライヤー労組が大半を占める機械金属系ものづくり産別のJAMは8月31日~9月1日にかけ、第1回定期大会を岐阜県で開催し、向こう2年間の運動方針を確立した。柱の1つに、ものづくり基盤強化に向けた取組みを掲げ、IoTやAIに代表される第4次産業革命と呼ばれる技術革新が雇用に及ぼす影響を注視しながら、波に乗り遅れないための対策に着手する考え。技術革新を利用した生産性向上や不足する労働力の補完機能の双方をにらみ、まずは調査研究から着手する。

事務課長の所定内58.6万円に――人事院・職種別民間給与調査

人事院の職種別民間給与実態調査によると、事務課長の所定内給与は58.6万円、技術課長は58.0万円だった。役職に就いていない係員クラスと比べると、それぞれ2.02倍、1.94倍の水準となっている。前年比では事務系がおおむね微増となったのに対し、技術系では係長、主任が1%台の減少率を示した。大卒初任給は事務系が0.7%増の19.9万円、技術系が0.4%増の20.3万円となり、ともに4年連続で伸びている。定年後再雇用者は、係員クラスで1.1万円増の25.3万円となっている。

4県が目安額「+1円」に――地域最賃答申

全労働者に適用される法定最低賃金(地域別最低賃金)について、全都道府県における審議が終了し、新潟、鳥取、宮崎、沖縄の4県が「目安額+1円」で答申を行った。異議申立て期間を経ておおむね10月1日からの発効となるが、「地方の経済実態が分かっていない」「賃上げを起点に経済を回す考えは本末転倒だ」など、賃上げと並ぶ政府主導型の最賃引上げに使用者側の不満の声がくすぶっている。

テレワーク普及へモデル事業――東京都

東京都は、中小企業における働き方改革を推進するため、テレワークの導入を支援する「モデル実証事業」を開始する。中小・中堅企業20社程度を対象に、専門のコンサルタントが人事制度の見直しやシステム導入といった環境整備のほか、従業員向け研修の実施などを一貫して手助けする。他の企業への普及を図るため、導入結果は好事例集として取りまとめる。中小企業がテレワークを体験できるセミナーも都内各地で開く予定だ。

妥結額・前年並みの6,600円弱に――厚労省・民間主要企業賃上げ

厚生労働省の平成29年春季賃上げ集計によると、民間主要企業における定期昇給込みの平均妥結額は6,570円だった。交渉前の平均賃金31.1万円に対する賃上げ率は、2.11%となっている。いずれも前年結果を下回ったものの、減少幅は金額で69円、率では0.03ポイントとわずかな差にとどまった。産業別にみると自動車が193円増の7,692円、建設が355円増の7,396円、卸・小売が195円増の5,899円となるなど、計20産業のうちの6産業でプラスとなっている。

「2017年新入社員の意識調査」

入社3ケ月が経過した7月4日から12日にマイナビが提供する研修に参加した新入社員にアンケ-トを行い、1623人から有効回答を得た。

□不安に思うこと
・「仕事を上手くこなせるか」      → 69.6%(入社直後調査78.5%)
・「上司、先輩、同僚との人間関係」  → 47.3%(入社直後調査58.1%)
・「十分な収入が得られているか」   → 25.0%(入社直後調査11.6%)

□改善して欲しいこと
・「給料を上げて欲しい」                    → 39.9%
・「人材育成の仕組み」                      → 25%
・「福利厚生」                                     → 20%
・「残業」                                             → 19%
・「オフィス環境」                                → 16%

□入社後にギャップを感じたこと
・「思っていたより自由に仕事ができた」 → 23.4%
・「給料が思ったより少ない」           → 21.9%

と収入、給与についてがいずれも上位となった。

以上