金属労協・4年連続賃上げ達成――17春闘妥結

金属労協(JCM・相原康伸議長)の集計によると、3月16日現在、賃上げ要求を行った49組合すべてが会社から回答を引き出し、ベアを含む賃上げ獲得組合の平均額は1051円となった。企業内最低賃金の増額を要求した35組合中19組合も、平均1141円の引上げを獲得。相原議長は、4年連続の賃上げを前向きに評価し、後続の中小に賃上げの波が届くことを期待すると述べた。

再就職サイクルを整備――女性活躍推進へ自治体が独自事業開始

女性活躍推進法が昨年4月に全面施行されたことを受け、働く女性を後押しする地方自治体の取組みが活発化している。和歌山県は、来年度から結婚や出産で離職した女性の再就職支援に向けた就活サイクルをスタートさせる。テレワークなど多様な働き方の拡大に取り組む鳥取県では、「託児機能付きサテライトオフィス」を独自に開設する。広島県や愛媛県では、女性管理職の育成、ロールモデルの普及に力を入れるとした。

SE男性の所定内33.9万円――厚労省/役職・職種・標準者賃金

平成28年賃金構造基本統計調査によると、男性の主な職種の所定内給与額はシステム・エンジニア33.9万円、機械組立工25.7万円、女性では看護師29.9万円、販売店員19.6万円などとなった。前年は好調だった生産系職種がおおむね減少に転じるなか、貨物自動車運転者の大型が2.3%増の28.1万円、普通・小型が7.4%増の25.9万円となるなど、車両運転系職種が総じて改善している。一方、課長級の役職者賃金をみると、大手58.9万円に対して中堅は17%低い48.8万円、中小は25%低い44.0万円となっている。

時間外上限規制はオリンピック後に――日建連が要望

一般社団法人日本建設業連合会(中村満義会長)は、建設業における長時間労働の是正に関する要望書を石井啓一国土交通大臣に提出した。政府が検討している時間外労働の上限規制の導入には理解を示す一方、導入時期を2020年の東京オリンピック以降に設定するよう求めた。週休2日制の定着が働き方改革最大の課題であるとして、その定着に向けた支援とともに、定着状況を踏まえて段階的に上限規制を導入するよう要請している。

規模問わず続々導入――企業主導型保育事業

政府が進める待機児童対策の一環である「企業主導型保育事業」制度を利用し、社員の両立支援を進める企業が続々と現れている。社員の多様な働き方に応じた柔軟な事業所内保育を企業が行う場合に、整備費や運営費の一部を国が助成する仕組みだ。大手企業では、日本生命保険相互会社や㈱ノーリツが導入することを発表。地方中小企業では既に開所したところもある。「将来的な若者、女性の採用に向けて設置した」という沖縄県のタクシー会社のような事例もあった。

東京・中企業の男性・所定内38.9万円――厚労省・都道府県別賃金

平成28年賃金構造基本統計調査の都道府県別集計によると、100~999人規模の中企業で働くフルタイム・男性の所定内給与額は、東京38.9万円、大阪35.3万円、愛知31.7万円などとなった。大阪が前年比2.1%増と伸び、微減した東京との格差が1割を切っている。上昇傾向が続く短時間労働者・女性の時間給は、東京1,236円、大阪1,105円、愛知1,079円などとなった。8割の都道府県で前年結果を上回り、20円以上伸びた地域が全体の約半数を占めている。

「高年齢者の雇用状況」

高年齢者が年齢にかかわりなく働き続けることができる生涯現役社会の実現に向け、企業に「定年制の廃止」「定年の引上げ」「継続雇用制度の導入の」いづれかの措置を講じるよう義務付けている。厚生労働省は従業員31人以上の企業153,023社の平成28年6月1日現在の雇用状況を公表した。
※( )は対前年比

□制度の導入
・定年制の廃止・・・4,064社(154社増)   2.7%(0.5ポイント増)
・定年の引上げ・・・24477社(1,318社増)  16.0%(0.5ポイント増)
で継続雇用制度の導入が圧倒的に多くなっている。
また、定年の引き上げを行った16.0%のうち、65歳定年の割合が14.9%あり、66歳~69歳は0.1%、70歳以上は0.1%となっている。

□継続雇用制度について
・希望社全員66歳以上の継続雇用・・・7,444社(685社増)  4.9%(0.4ポイント増)
で、うち
中小企業(31人~300人)では7,147社(633社増)  5.2%(0.3ポイント増)
大企業(301人以上)では297社(52社増)  1.9%(0.3ポイント増)
となっている。

□70歳以上まで働ける企業
・全体  ・・・32,478社(2,527社増)  21.2%(1.1ポイント増)
・中小企業・・・30,275社(2,281社増)  22.1%(1.1ポイント増)
・大企業 ・・・2,203社(246社増)    13.9%(1.2ポイント増)
となっている。

以上

解雇金銭救済で制度案――厚労省・新法制定も視野に

厚生労働省は、解雇無効時における金銭救済制度の「基本的枠組み」(案)を明らかにした。裁判によって解雇無効と判断された際に、労働者が申立てをし、使用者の金銭支払いと伴に労働契約を終了させる仕組みを想定している。解雇された労働者の保護・救済の選択肢を広げるのが狙い。法改正や新法を制定して権利義務関係を明確に規定する方法と、司法判断により権利義務関係を変動させる方法の2通りを提案している。

がん就労対策で事例集――東京都

失効した有給休暇の積立制度や多様な勤務制度で就労継続を支援――東京都は、がん患者の就労継続支援やがん予防対策に関する好事例集を作成した。都が表彰した16社の取組みをまとめたもので、治療と仕事の両立に向けて、時差出勤やフレックスタイム、所定労働時間の短縮措置などのほか、有給休暇の積立制度を整備している企業がめだつ。社長面談で悩みを聞いたり、自社の支援制度についてのガイドブックを用意したりして、支援を受けやすい体制づくりをしているケースも多い。

男性の所定内・ピーク時で42.6万円――厚労省・賃構調査(概況)

厚生労働省の平成28年賃金構造基本統計調査(概況)によると、一般労働者・男性の所定内給与額は前年並みの33.5万円となり、年齢階級別のピークは50~54歳の42.6万円となった。35歳未満の若年層を中心として全体的に上昇傾向を示した一方で、ピークの50~54歳とその手前の45~49歳では約1%落ち込んでいる。短時間労働者・女性の1時間当たり賃金は、22円アップの1,054円となり、2年連続で20円台の伸び幅を示している。

ハラスメント対策を強化へ――厚労省・個別企業訪問し支援

厚生労働省は平成29年度、企業に対するハラスメント対策支援事業を新たにスタートさせる予定である。妊娠・出産などに関するマタニティハラスメントやセクシュアルハラスメントが後を絶たないため、個別企業を対象とした防止対策についてのアドバイス、企業内の相談担当者向けマニュアルの作成など行うとした。ハラスメント防止の措置義務を規定した改正男女雇用機会均等法が1月から施行されており、企業としては新たな対応が求められている。

働き方・休み方「表彰制度」創設へ――日本旅行業協会

一般社団法人日本旅行業協会(田川博己会長)は、業界全体の働き方改革に向け、今年6月までに規模・業態ごとの働き方・休み方の好事例をまとめる。好事例は表彰することも決定した。業界内では、1年のなかで生じる繁閑の差への対応が課題となっている。業界大手が違法な残業をさせた疑いで書類送検されそうなことが取組みの背景だ。

男性の所定内・ピーク時で42.6万円――厚労省・賃構調査(概況)

厚生労働省の平成28年賃金構造基本統計調査(概況)によると、一般労働者・男性の所定内給与額は前年並みの33.5万円となり、年齢階級別のピークは50~54歳の42.6万円となった。35歳未満の若年層を中心として全体的に上昇傾向を示した一方で、ピークの50~54歳とその手前の45~49歳では約1%落ち込んでいる。短時間労働者・女性の1時間当たり賃金は、22円アップの1,054円となり、2年連続で20円台の伸び幅を示している。

「36協定の見直し、中小企業の53.8%が賛成」

日本商工会議所は2月1日「時間外労働規制に関する意識調査」を発表した。
調査期間は2016年10月3日~11月4日で1581社の中小企業から有効回答を得た。

□36協定の締結について
締結している ・・・ 72.0%(1139社)
締結していない・・・ 26.7%(422社)
締結している企業のうち特別条項の届出を行っている企業・・・50.6%(576社)

□36協定の見直しについて
賛成・・・53.8%
反対・・・40.7%

□見直しの方向性について
≪賛成企業≫
・一定の上限規制は必要だが業種業態や企業規模を考慮し、一律に規制するのではなく柔軟な制度設計とすべき・・・74.4%
≪反対企業≫
・特別条項の存在だけが長時間労働の原因ではないので、法改正しても効果的ではない・・・30.8%
・現行制度は保険的な意味があり、現状維持とすべき・・・25.9%

□長時間労働の是正に向けて効果的だと思う見直し策は
長時間労働を肯定するような労働者、経営者の意識改革・・・39.0%
長時間労働を是正するというトップの強いコミットメント・・・36.7%
残業を生みやすい業種業界特性、商習慣の見直し・・・36.3%

□長時間労働の是正に向けて効果的でない思う見直し策は
労働法、制度の規制強化・・・25.6%
発注者との取引条件の見直し・・・21.9%
残業削減に対するインセンティブ付与・・・21.6%
36協定の特別条項の見直し・・・21.4%

以上

トラック運送業の生産性向上へ手引――国交省

国土交通省は、トラック運送事業者と荷主向けに、「生産性向上方策に関する手引き」を作成した。長時間化している荷待ち時間の削減や、運転以外の積卸作業の効率化などの進め方を提示している。人手不足が深刻化するなか、良質な運送サービスの提供に向けて生産性を高める取組みを促進するのが狙い。荷待ち時間の削減では、積卸の時間帯を事前に予約できるシステムの導入を推奨している。

女性活躍推進へ連携――食品業界大手5社

女性の活躍推進に課題を抱える食品業界の大手5社が東京都内で2月14日、各社から10人ずつ女性社員を集めて「LADY,GO UP!」と題した共同セミナーを開催した。参加者同士が社外ネットワークを構築することで、各社に不足するロールモデルを社外でみつけてもらうことも狙いの1つ。基調講演やキャリアプランについて話し合うグループワークを行い、女性自らが活躍に向けた気付きを得られる内容とした。

「就社」から「就職」へ転換を―ー中部経済連合会

一般社団法人中部経済連合会(豊田鐵郎会長)は、サービス産業の生産性向上に向けた報告書を取りまとめた。同産業では、業種ごとに必要とされるスキルの専門分化が進み、労働需給のミスマッチが生じている。現行の「就社」型の雇用慣行に代わって、特定の職能分野に就く「就職」型への転換が必要と提言した。職場を変えながらも専門性が高まるとする。また、ICTへの投資も生産性向上に不可欠とした。