2021年2月3日
厚生労働省は昨秋、副業をする際、本業と副業で働く時間を合算したうえで労働時間の規制の対象とする運用指針を示した。
大手企業では、社員が副業に充てる時間に制限を設ける例が多いが、実際に本業の時間外の労働時間を正確に把握することは難しく、働く側の自主管理に委ねざるを得ないのが現状。
経団連が2019年に行った調査では、副業・兼業への懸念として「社員の時間管理が困難」「健康確保が図れない」ことなどが挙がった。
雇用の形式ではなく、請負契約で副業する人も多い。請負は労働基準法に基づく労働時間管理の対象ではないが、働きすぎとなる懸念があり実効性のある防止策の検討が必要となる。
また、多くの企業は副業する社員に対し本業で得た秘密を漏らさない、同業他社で働かないといった条件を定めている。それでも情報漏洩などを危惧して認めない企業も多い。
一方、副業を容認する企業が増えている背景には、すべての社員に十分な給料で終身雇用を続けることが難しくなっているという側面もあるとみられる。
マイナビが昨年行った企業の人事担当者への調査では、企業側が副業制度を導入した理由について、「社員の収入を補填するため」との回答が43.3%と最も多く、副業容認が待遇引き下げなどの方便として使われないよう用心する必要もある。
以上